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【うつ状態】「新型うつ」と「仮面うつ」ってどんな状態!? 

2021年7月20日

 

今回は、正式な診断名にはなっていないけれど、たまに耳にする「うつ状態」について、

「仮面うつ」「新型うつ」についておおまかに知っていけたらと思います。

この記事では、特に「仮面うつ」について詳しく取り上げています。

 

うつ

「うつ」というのはそもそも「気分の状態」を意味しています。

「うつ」の対極が「躁」になります。

 

「うつ」と「躁」は、人によって振り幅が異なりますが、質的には誰しも持っています。

その程度が激しい場合に病気となり、「双極性障害」「うつ病」などの「気分障害」となります。

 

つまり、「気分という連続体」なので、

実のところ「ここからがうつ病!」というような明白なラインはなく、

分かりにくいというのが実際のところだと思います。

 

そして、「うつ病」の診断基準は、あくまでも精神症状と睡眠障害や食欲の増減に限定されます。

しかし、実際は、頭痛やだるさなどの身体症状も併発していることがほとんどです。

 

「仮面うつ」と「新型うつ」

そこで今回は、「耳にしたことはあるけどよく知らない」と思われる

「仮面うつ」「新型うつ」について大まかなイメージを捉えたいと思います。

 

正式な診断名ではない

まず、2つとも正式な診断名ではありません

そのため診断基準がなく

「うつ病」や「双極性障害」のように明白に説明することができません。

なので「聞いたことはあるけれどはっきりとはわからない」というあいまいなイメージに留まってしまいます。

 

しかし、「うつ」に限らず、精神疾患含む「病」は、

今の診断名や医学で全てが明らかになっているのではありませんよね。

なので、既存の基準には当てはまらないこともたくさんあります。

 

連続体

「うつと躁も気分という連続体」と書きましたが、

「特定の症状が程度の問題であった」ということは他の疾患でも認められています。

例えば、「自閉症」「アスペルガー障害」「ASD(自閉スペクトラム障害)」に変更されましたよね。

他にも「統合失調症」は、その症状のほとんどが「統合失調症特有であるとはいえない」となり、

「統合失調症スペクトラム障害」となりました。

 

なので、診断基準にはまらなかったとしても、

「うつ」として治療すべき状態像があるということを示唆しています。

 

臨床像は「適応障害」

「仮面うつ」と「新型うつ」をわかりやすくイメージするために既存の診断名で近いものをあげると、

「適応障害」かなと私は思っています。

あるいは診断名ではないけれど状態として「心身症」には該当すると思います。

 

「適応障害」の記事はこちら

「心身症」の「過敏性腸症候群」の記事はこちら

 

「新型うつ」とは

「新型うつ」は、数年前に少し流行った記憶がありますので、ご存知の方も多いかもしれません。

 

診断基準はありませんのであくまでも「状態像」になりますが、

「従来のうつ病の臨床像とは異なるうつ状態」を当初は意味して広まりました。

 

ただ、良くないイメージが広がってしまったり、

他の気分障害や不安障害、パーソナリティ障害などとして診断が可能だと解釈されるなどの経過を経て、

現在はあまり聞かなくなっていると感じます。

 

一般的によく言われるのは

「仕事など嫌な事に対しては気持ちが落ち込んだり体が動かないなど不調が表れる。

一方で、気の合う仲間との交流や趣味などの好きなことは積極的に楽しめる」という状態像です。

 

従来のうつ病の傾向では「自責的で休養を拒み、遊びになど行けない」という臨床像でした。

 

それとは異なる「他責的でやらなければいけないことはできず、仲の良い人との交流や好きな事柄には積極的に取り組める」というケースを「新型うつ」と、

最初に取り上げたのだと記憶しています。

 

「新型うつ」は先ほど触れたように、現在はこの用語そのものがあまり使用されなくなっています。

 

当初の「新型うつ」のイメージについては、

「環境が合わない」のであれば我慢せずに変えていいと思いますし、積極的に楽しめることができるのであれば素晴らしいことです。

 

心配なのは、それがうつ病や双極性障害、不安障害、パーソナリティ障害などの部分的な状態であれば、

総合的に治療する必要があるということだと思います。

 

いずれにしても、「通常以上のストレス反応」が限定的であっても現れていたら、

医療機関を受診するなど早めに対処するにこしたことはないと感じます。

 

「仮面うつ」とは

「仮面うつ」も、正式な診断名ではないので診断基準はありません。

あくまでも「状態像」になりますが、

一般に「精神症状よりも身体症状が目立っている状態」を「仮面うつ」ということが多いです。

 

ただし、精神症状はご本人が「大したことはない」とあまり言わないことが多いだけで、

聞き取りをすると精神症状も表れています

 

「毎日仕事には行けているけど、頭痛や腹痛、目の痛みなどに悩まされている」

「職場にいけば普通に働けるけれど、休日は起きることができない」

「うまく眠れない日々が続いている。疲れがとれず体が重い」

 

「仮面うつ」の一番の特徴は

「一見すると社会生活は問題なくこなせている」ということだと思います。

 

なので、ご本人も周りも気づきにくく、「大したことはない」と

そのままストレスと疲労を蓄積していってしまう危険性が高い心配な状態です。

 

私の臨床経験だと「仮面うつ」の方は、

「過剰適応」の傾向があることが多いです。

初めての診察やカウンセリングの際に「笑顔」で接してくださることが多いです。

本当は緊張していたり、とてもしんどかったりしても。

きっと職場でも家でも気を遣って「笑顔」でいるのかもしれないなといつも想像してしまいます。

 

なので、「仮面うつ」という状態になりやすい方は、

適応レベルは高くても、根の深い苦しみを抱えていることが珍しくありません。

 

「がんばらないと」「辞めちゃダメ」「なんでこんなこと耐えられないんだろう…」といったように、

自分に厳しく、自分が休むことに強い罪悪感を感じてしまうことが多いような気がします。

 

そのため、気付いたときはかなり悪化してしまっている傾向にあると思います。

 

「仮面うつ」は「うつ病の初期」と言われることもあります。

病態水準の見極めという観点では、「うつ病」の方が病態水準は重いかもしれません。

 

けれども、先ほど触れましたが「仮面うつ」は、

そう単純ではない苦しみを根っこの部分で抱えていることが多いと感じます。

 

精神症状が少ないのは軽いからではなく、精神症状を許さないような状態が続いていたがゆえに、

鈍痛のような身体症状で表明するしかないというような、

「過酷さ」を感じることが少なくありません。

 

そして丁寧に聞き取りを行うと、まさに「うつ病」であることも珍しくありません。

「うつ病」というのは、必ずしも「寝込んで動けない」という状態ばかりではありません。

仕事や家事などは何とかこなせているものの、原因不明の体調不良に悩まされ続け、

一人になるとぐったりしてしまう状態が「症状」であることがたくさんあります。

 

加えて「過剰適応傾向」がある場合、ご本人は「頑張っている」「無理している」とは認識していませんので、

「なんとか動けているんだから大丈夫」と自身のしんどさの見積もりが軽くなりがちであります。

 

「仮面うつ」と名づけた人はネーミングセンスが素晴らしいと思うほど、

まさに「苦しみ」を「仮面」で分からないように隠している、というイメージがしっくりきます。

 

決して軽くはない、とても心配になる状態だと思います。

 

見極めポイント

「仮面うつ」の可能性について、

以下のことが認められるようなら早めに休養をとる医療機関を受診するなど、

ご自身を守るように行動できるといいかもしれません。

(※診断基準はありませんので、寝子の臨床経験からのチェックポイントですのであくまでもご参考程度に)

 

□仕事では体調不良を顔に出してはいけないと思う

□実際はしんどくても周囲には気付かれない

□睡眠がうまくとれていない

□好きな事が楽しめなくなった

□食べたいものが浮かばない

□疲れがとれない

□頭痛や吐き気、腹痛などの身体症状が続いている

□のどがつかえる感じがする

□休むことに罪悪感が強い

□「頑張らないと」と思うことが増えた

□休むことや辞めることを考えると責めてくる人がいる

 

うつ病の記事にうつ病の正式な診断基準を載せてありますので、

ご興味があればこちらもご参考にされてください。

 

環境因

チェックリストに「休むことや辞めることを考えると責めてくる人がいる」という項目をいれましたが、

「仮面うつ」は、「すごくしんどくてもそれを表に出さないで適応できる」という能力があるといえます。

ただ、「過剰適応」と似ていて、ご本人はご自分のことを「できている」とは思っていません。

かつ、多過ぎる仕事を任されたり、苦手な人がいたりする環境ほど

「逃げてはいけない」「がんばらなくては」と思いがちであると感じます。

そのため、実は対人関係や仕事量に明白なストレス原があっても、

外の要因にはせずに「なんだか具合が悪くて…」「しっかりしないと」といった風に、

「自分でなんとかしないと」と自責が強いことも特徴です。

治療の際には、「環境からのストレス」を認識し「ツライと思っていい」ということから始めることもあります。

 

ご自身にも気遣いを

とても大事なことは、

「仕事など○○ができていたら大丈夫」「見聞きするうつ病ではないから大丈夫」ということはないということです。

 

「過剰適応」の傾向があったり、心身の健康を害するほどにがんばり過ぎてしまうことは、何も悪いことではありません。

それだけ他者に気を遣うことができ、適応能力が高いということでもあります。

 

ただ、自分への気遣いがあまりできないと捉えることもできます。

なので、なんらかの心身の不調は、自分をケアする仕方を知る機会でもあります。

他者や職務に向ける気力体力を、ご自身にも向けてあげられるようになれると、

今までより生きやすくなるかもしれません。

 

 

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今回は「新型うつ」「仮面うつ」をまとめました。

 

どの精神疾患も早期発見が重要です。

特に「うつ病」は誰にでもなる病です。

重くなると回復までに長期間かかりますし、抱えるしんどさも多くなってしまいますので、

心身の不調を感じたら、早めに病院を受診したり長めの休養をとってみたりするなど、

ご自身を助けてあげてほしいなと思います。

 

 

「適応障害」の記事はこちら

「心身症」の「過敏性腸症候群」の記事はこちら

 

「うつ病」の記事「過剰適応」の記事などもございます。ご興味があればぜひ!

 

最後までお読みくださってありがとうございました!

またのお越しをお待ちしております♪

 

 

 

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