" />

心理雑談 日記

「(怒りなどを)手放す」という指南への違和感

 

今日は以前からときどき話題にしている

「手放す」「許しましょう」という支援者の助言に対する反対意見

を書きたいと思います!(軽い感じでw)

 

 

「許しましょう」ということの反論は、別の記事でも書いたと思うのと、けっこう多くの方が違和感を覚えていらっしゃると思うので、

今回は「手放す」という助言に焦点を絞ります。

 

「いちいち言葉にうるさいな」と思われるかもしれませんが、

心理士は職務上、使用する言葉はとても大切なので、気が向いた方だけお付き合いください<m(__)m>

 

「手放す」という言葉の魔力

私の著書『親がしんどいを解きほぐす』の題名を決めるとき、

候補として「手放す」っていうのが上がったんですね。

速攻で却下しましたが(^^;

 

それで、言われてみると自己啓発系の本やSNSのインフルエンサーなどで

「手放しましょう」みたいなことをけっこう見聞きするなと気づきました。

 

「手放す」って、「許す」より柔らかいし、なんか「良いこと言ってる感」がして、抵抗感を持ちにくくて

 

便利な言葉だなー

 

と、改めて考えるきっかけになりました。

 

なぜ耳障りがいいか

「自己肯定感を高めましょう」も同じだと思うんですけど、

「怒りや憎しみを手放そう」「過去のことは手放して今を生きましょう」みたいなセリフって、

なぜか耳障りがいいのと、

瞬間的に異論が浮かばないというか、

「まぁそうだろうな」ってなぜか思っちゃう不思議な言葉だと思います。

 

こういう、一見すると侵襲性のなさそうな柔らかい感じの指南こそ、

私は有害だと思っています。

どうしてかというと、「なんか違う」と思ってちゃんと違和感を言葉にできるまでには時間がかかるし、思考力もいる。

だからなんとなく「手放した方がいいんだろうな」と思ってしまう…。

 

心に入りやすく、攻撃的には全く感じない言葉だからこそ、

合わない場合には危険でよくないワードだと感じています。

 

「手放す」という言葉のミスリード

では、「手放す」というワードによってミスリードされてしまう心理について

整理していきたいと思います。

 

「執着している」

意識するしないは別として、「手放す」と言われると、

それは同時に「執着している」と感じられる可能性が高いです。

「手放していない何かがある」という前提になるので、

「持っている→手放せない→執着している」

と無意識であっても思ってしまうことがあります。

 

そして「手放せない自分が執念深いのか」と怒りや憎しみがあるご自身を責めてしまいがちになるし、

「執着」という言葉は言葉自体がネガティブなので、

さらに負の感情を“手放せない”自分を受け入れ難くなってしまいます。

 

私は、どんな感情も手放すものではなく、持っていていいと考えています。

 

むしろ、方向性としては「手放す」のではなく

「どうしたら上手に抱えていけるか」という「持ち方」を見出していったほうが有益だと感じています。

 

「ネガティブな感情は持つべきものではない」

これまでのお話と重なりますが、

「手放す」というのは

「怒りや憎しみや苦しみなどのネガティブな感情は持つべきではない悪いもの」と受け取られかねないものです。

 

どんな感情も、その人にとって不必要なわけはありません。

 

もちろん、負の感情はツライですし、あまりに強ければ生活に影響します。

それでも、そこまでしてまで何かを懸命に知らせようとしていたり

消化させようとしていたり

大切で大事にしていきたい自分の一部分なのだと思います。

 

身体で考えても「頭が痛い」として、

「その痛みがなければいい」と痛みだけ取ってしまったら、

自分の不調にも気づけず、行動量も調整できず、実は大病が隠されていたとしても手当てできないままになってしまいますよね。

 

感情も同じで、“手放し”ていい気持ちなんてないと思っています。

 

印象操作

あ、なんか「手放す」というワードの悪口の羅列になっちゃってます?(苦笑)

 

冒頭にも触れましたが、カウンセラーってクライエントに向ける「言葉」はとても大切だと思ってるんです。

同業者で簡単に「クライエントさんに寄り添って」とか

「あなた1人じゃない。チームで」とか言う支援者いるんですけど、

もちろん全くダメってことじゃなくて、

そういう耳障りの良いことを状況や相手を考えないで安易に使用するのが許せなくて…。

 

だからたまに「許しましょう」とか「自己肯定感を高めましょう」とか支援者が言いがちなセリフに反論しちゃっております(^^;

 

 

続けますね(爆)

 

今回の「手放す」だと、「あらゆる苦しみを手放せたら悟りを開ける」みたいな、

「人間的にアップグレードできる」かのような印象操作を感じます。

 

逆に言えば、過去の憎しみや怒り、苦しみを抱いているのは「次元が下」みたいな。

 

だから嫌なの、この言葉!

 

「あらゆることを手放して今は幸せ」みたいなこと言ってる方が、

自己愛全開、悩みを回避しているのではないですかぁ~~~~???

(↑主にスピ系への叫び)

 

そして、「不満や許せなさがある自分はダメなんだ」という自己否定を強化させてしまいます。

 

 

そんなことないよ~~~~!!!

 

 

不満や許せなさがあったら、

負の感情を感じられているということ、

その気持ちに向き合うことができているということ、

それを何とかしたいという思考力と行動力がある

という素晴らしい能力の証です。

 

感情のメカニズム

他の記事でもたびたび書いていますが、

人の感情は「ポジティブな感情だけ」感じることは不可能なんです。

もし、負の感情を感じないようになったなら、同時にポジティブな感情も感じられなくなり、

日々を生き生きと生きることが難しくなります。

 

だから、物じゃないんだから自分の気持ちや思考の中で気に入らないものだけ「手放す」なんて、できないのです。

 

フラッシュバックは別ですが、

むしろ怒りや悲しさ、寂しさなどをその都度しっかり実感していけると、

嬉しさや楽しさ、心地よさも深まって感じられるようになります。

 

 

・・・ただ、それが難しいんですけどね(^^;

 

 

でも、どうか、ご自身の中にある「苦しい感じ」を邪魔ものとしないでほしいなと思っています。

 

 

↓「気持ちの抱え方」についても書いています。

ご興味がある方はぜひ!!

 

 

実は、この本、予想以上に売れていないんですけど(自爆)

 

まぁ著者が私だからヒットはしないだろうとは思ってたんですね。

でも出版社が大手であること、テーマが今人気があることもあって、「初版部数くらいは売れるだろう」と思ってたんですけど、厳しい…(号泣)

 

最近、こうやって認められるようになった笑

 

 

それで、なんと、ツイッターを始めたころから相互フォローさせてもらっている方に愚痴ってしまったんです。(どうかしてるぜ!)

突然に!お会いしたこともないのに!

 

でも、とても良い方で、やらかしちゃったけど、その人に言えて良かったなって思えて…。

 

それで、私は気づいたら仕事でも中堅になっていて、

若いときみたいに心配されなくなって、それはそれでいいけど、

素直に弱いところを出せなくなっていたなと思いました。

 

 

だから、あんまり強がらないようにしようって思えました(*^_^*)

本当にありがとうございます(^_-)-☆

 

 

↓押してくれると凹んでる寝子が励まされます!!

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセラーへ
にほんブログ村

↑ちょっとブログの更新頻度が上がってきたぜ!!

 

 

これから本格的に季節の変わり目となり、

花粉や寒暖差、強風など環境的な負荷がかかることと思いますので、

みなさま心身ともに大事にされてください。。

 

 

最後までお読みくださってありがとうございました!

 

また見に来てくださることを心待ちにしております(*^_^*)

 

 

 

-心理雑談, 日記

© 2024 心理カウンセラー寝子の寝言 Powered by AFFINGER5