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病気のお話

双極性障害ってどんな病気!? ~発見しずらいⅡ型に焦点をあてて~

2021年3月22日

双極性障害とは、以前は「躁うつ病」といわれ、

躁状態とうつ状態をくりかえす病気です。

躁状態は短く、うつ状態は長いことも特徴です。

双極性障害にはⅠ型とⅡ型の2種類があります。

 

Ⅰ型とⅡ型の違いは、躁状態の程度の差になります。

「躁状態が激しいものがⅠ型。躁状態が軽いものがⅡ型」となります。

Ⅰ型であると、躁状態のときには高額な買い物を繰り返したり、

借金をしてまで奢ったり、とてもおしゃべりになったり、ほとんど寝ずに活動したりと

分かりやすいため、本人も周りの人も気づきやすいです。

 

一方、Ⅱ型の躁状態は、よく聞き取りを行わないと発見しづらいため、

「うつ病」と誤診され、うつ病の治療がなされてしまうことが過去多かったようです。

双極性障害にうつ病の投薬や治療を行うのは悪化してしまいます。

 

うつ病に比べ、双極性障害は再発しやすく、

適切な投薬と生活リズムがとても重要になります。

 

そこで、今回は、双極性障害Ⅱ型の特徴と対処法について簡単に書きたいと思います。

 

双極性障害Ⅱ型とは

双極性障害Ⅱ型は、さきほど述べたように、

躁状態が軽いため、見つけることが難しいです。

そこで、軽躁状態とは具体的にどのような状態なのか、

イメージできるようにしていきたいと思います。

 

軽躁状態とは

まず、躁状態は、基本的に「活動レベルが増加」します。

「外出する頻度が増えた」「知人と会ったり電話したりする回数が増えた」といったことが典型的な例になります。

「ヨガに毎日通いだす」など、運動を頻繁にし出すことも多々あります。

そして「なんでもできそう」と思えるくらい気分が良い

けれども逆にイライラしたりすることもあります。

また、「眠らなくても大丈夫」「寝るのがもったいない」あるいは「眠れない」という状態になり、

不眠が出現することが多いです。

 

ポイント

軽躁期の特徴

・気分が良い(高揚感)

・活動量の増加

・睡眠時間の減少

・イライラ

 

混合状態

双極性障害には、Ⅰ型もⅡ型も「混合状態」という、

「躁状態とうつ状態が混ざった状態」になることがあります。

混合状態になると、

イライラして動きながらも気持ちは落ちこんで死にたい気持ちが出てきてしまうなど、

ご本人にとってはとても扱いにくく、非常にしんどい状態といえます。

 

双極性障害への対処法

双極性障害は、まず投薬が基本となります。

ですので、医師の指示の下、服薬を継続することが大切になります。

日常生活では、生活リズムを一定に保つことが重要です。

「躁的なときにうつ的な行動を。うつ的なときに躁的な行動を」

といわれるように、

躁時期とうつ期の活動量の差をできるだけ少なくすることがポイントとなります。

 

人のメンタルは、「上がったらその分どーんと下がる」という鉄則がありまして、

そのため、軽躁期に、具合が良いからといってたくさん活動してしまうと、

その分、うつ期がとてもしんどくなっていまうのです。

反対に、「上がることを抑える」ことができると、

うつ期の下がり具合も比較的軽くできるといわれています。

軽躁期は、やりたいことの半分くらいに活動を抑えられるといいかもしれません。

 

他の精神疾患との見極めポイント

双極性障害Ⅱ型の「躁状態」は、

うつ病やパーソナリティ障害などとの見極めが難しいです。

そこで、他の精神疾患との違いを検討してみます。

 

細かく伺っていくと過活動の時期がある

うつ期のほうが長く、ご本人もつらいうつ期に受診するため、

うつ病と間違いやすいですが、よく伺っていくと軽躁期がみとめられます。

「予定をビッシリ入れていた」「必要のない資格取得のスクールに入った」

「借金しないまでも貯金をかなり使った(Ⅱ型でも借金するほど浪費することもあります)」など、

冷静に振り返ると「ハイ過ぎていた」という状態がわかります。

 

軽躁時期への憧れを持つことがある

また、双極性障害Ⅱ型であると軽躁時期に対する憧れを強くもつことも

見極めの助けになるかもしれません。

例えば、うつ病の場合では、うつ病になる以前の健康な状態(落ちついて安定した状態)に、

過剰なまでにこだわって「あの状態になりたい!!」と熱望するようなことは稀です。

もちろん、「うつ状態は脱して以前のように安定したい」と思いますが、

熱に浮かされたように強い憧れをもったりはしないかなと思います。

これはPTSDの「過覚醒(軽躁)」と「低覚醒(うつ)」にも同じことがいえるかなと思います。

PTSDと双極性障害Ⅱ型も重なる部分が多いですが、

PTSDの症状である「過覚醒(軽躁)」の状態に固執して「過覚醒になりたい!」と思うPTSDの方はあまり見受けられません。

加えて、PTSDの場合は、「過覚醒」の時期、決して気分が良いわけではないですよね。

確かに活動的になれることはありますが、すぐに疲れ果ててしまったり、

不眠や物音に対する敏感さが増して、しんどい時期でもあるかと思います。

 

一方、軽躁状態を経験した双極性Ⅱ型の方は、「軽躁状態は病気の状態」と理解するまで、

「あの時期のように活動的になりたい」と強く思うことが多いと経験上思います。

そのため、「元気な自分への過剰な執着」が見受けられたら、

うつ病ではなく双極性障害の可能性を考えてみることは意味があるかと思います。

 

遺伝の影響を受ける

また、双極性障害は、遺伝的な影響を受けやすい病です。

昔は認知されていませんでしたので、診断は降りていなかったとしても、

「両親の気分が安定していないようだった」「繰り返しうつ状態になっていた」

というような様子があったならば、可能性として検討したほうがいいと思います。

 

対人認知は安定している

気分の不安定さから、境界性パーソナリティ障害との見極めが難しくなることがありますが、

違いは、双極性障害の場合、対人認知はある程度一定に保たれていることが多いです。

双極性障害Ⅱ型の場合、基本的に面倒見がよく、優しい人であることが多いです。

他者に対し「良い人」と思っていた人を「嫌な人だ」とコロっと他者評価が変わったり、

誰かに極端に依存したりすることはあまりありません。

そういう面で、対人関係の持ち方をみていくと、適切な見立てができるように思います。

 

まとめ

今回は、うつ病と誤診されることが最近はかなり減っている双極性障害Ⅱ型について記述しました。

誤診が減った理由は、医師や心理職員など医療従事者に

「うつ病が疑われる患者さんには、軽躁期が存在しないかちゃんと聞き取るように」

という周知がなされたからです。

患者さんご本人は分からなくて当然ですので、医療関係者が丁寧に聞いていくことが重要です。

 

病気に対する対処と同時に、

「どう生きていきていきたいか」というご本人の意志も大切にしていきたいですね。

『双極性障害Ⅰ』についても記事にしておりますので、ご興味があればぜひ。

 

 

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お読みいただきありがとうございました!

次回はまた「ある性被害サバイバーの話」の続きになります。

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