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心理豆知識

【自傷行為】周囲の人へ「構って欲しいからじゃない!」 ~松本俊彦先生に学ぶ~

 

今回は、自分で自分を傷つける行為「自傷行為」について書きたいと思います。

この記事は、自傷行為をしているご本人というよりは、

ご家族や学校の先生などの「周囲の人」に知識や対応が届いたらいいなという主旨で書いていきたいと思います。

 

「自傷行為」といっても実際にはさまざまな形があり、

内容や意図なども経過と共に変化していくことがあり複雑です。

 

ここでは、リストカットに代表される「体に傷をつける」という自傷行為を主に取り上げます。

 

今回は、依存症治療の権威である松本俊彦先生からの教えをもとにまとめます。

 

なぜ自傷行為をするのか

「自傷行為」は、一時期は「流行り」と言われてしまたり、

「自傷行為≒境界性パーソナリティ障害」と安易にセットにされて広がってしまったり、

正しい認識が広がっているとはいえない現状が続いていると思います。

 

そこで、まず、「自傷行為をする理由」と、

「周囲の誤解」について整理したいと思います。

 

自傷行為をする理由

自傷行為をするのは「死にたいくらいツライ感情を緩和させるため」であり、

「孤独なストレス対処」であります。

 

自傷には「鎮痛作用がある」と松本先生は説明されています。

 

心の痛みから体の痛みにすることで、脳内麻薬物質が出て、張り詰めた気持ちが抜けるような感覚になる

 

自傷行為をする瞬間、ツライ出来事もツライ感情に襲われていることも、

自分の人生から切り離されるように感じることが出来る。。

 

だから孤独に繰り返してしまいます。

 

感情を上手に出せない

一方で、そうした孤独でギリギリな毎日を過ごしている積み重ねの中で、

自傷行為をすることでしか、誰かに訴えられないこともあります。

孤独で苦しい人は、「適度に人に頼る」ことができません

 

自分の気持ちを話せないからそうするしかないときがあるのです。

それを無視することは、孤独な対処である自傷行為をエスカレートさせてしまう可能性が高くなります。

 

限界を超えてまで耐えて、その結果爆発してしまう。

そのときの叫びが自傷行為として、まるで気を引いているかのように捉えられてしまうことがあります。

 

けれど、「自傷行為をして人の気を引こう」という状態は、

どんなに苦しい状態か、想像すればわかるのではないかと思います。

 

忘れてはいけないのは、時として人に気持ちをわかってもらおうとするために行ってしまうことがあっても、

その人の自傷行為のほとんどは、孤独に1人で苦しみを緩和しようとするストレス対処です。

 

そのため、必死でまさに傷をつけてまで訴えていることに対し、

「またアンタは!」というように取り合わないのは、不適切な対応の代表例です。

もっと孤独にさせ、さらに「他人に相談できない」という気持ちを強化してしまう最悪な対応です。

 

自傷行為に対する誤解

自傷行為に対する代表的な誤解を取り上げます。

 

よく耳にするのが「構ってほしくてやっている」という主旨の誤解です。

 

先ほども触れましたが、自傷行為に対して「構ってほしくて」「人の気を引くため」といったように捉えているとしたら誤解です。

これは、「人の気を引くためにやっているんだから構ってはいけない」という対応にまで及んでしまう大きな間違いです。

 

まず、「だから構ってはいけない」というのは、一体どういう理屈なのか考えてみますと、

おそらく「構うとその行動をまたする」ということなのでしょう。

しかし自傷行為はそもそも「人の気を引くため」ではありません

 

仮に「人の気を引くため」であったとしても、

そうであればわざわざ自分の体に傷をつけなくても他にも方法はありますよね。

にも関わらず「自分を傷つける」という方法を選んだということは、「構わないでいい」わけがありません

 

リストカットを代表とする「自傷行為」に対して、「構ってほしいから」「脅し」というふうに受け取るのは誤解です。

 

「誰かの気を引くため」ではなく「1人で助けを求められずに孤独に行う対処」です。

先ほど触れたように、それが時に「苦しみの訴え」になることがあります

しかし、ほとんどいつも「苦しみを緩和させるための孤独なストレス対処」です。

 

「死にはしないんでしょ」

「自傷行為では死なない」「死にたいと言っている人ほど死なない」

これもまるで根拠があるかのように流布していますが、

全くの間違いです。

 

松本先生が「一般の人に限らず、たまに学校の先生や医者ですら、“自傷行為で死なないんでしょ”などと言ってきて困ります」とおっしゃっていて、

 

「鬼の首でも取ったかのように、

“でも先生、自傷行為では死なないんですよね?”って言ってくる」と続けられたときに、

 

「そうそう!!鬼の首でもとったかのように!!」と心の中ですごく同調したのですが、

 

まず、「自傷行為で死なないんでしょ」と言う人、

それを声高に叫んで何の意味があるのでしょうか?

 

さらに、間違っています

 

自傷行為の目的は「苦しい気持ちに対する孤独な対処」であって、自死が目的ではありません

しかし、将来的な自殺率は、「自傷行為をしたことがない人」よりもはるかに高い数値になっているのです。

 

ですから、「死にたいほどの苦しい気持ちを抱えている」という点は同じです。

そして「死にたい」と言っている人ほど、本当にそうしてしまうのです。

 

自死した人のデータとして、

「過去の自傷行為」「死にたい気持ちの吐露」が、それがなかった人よりもはるかに高いという結果が出ています。

 

そして、自傷行為をすることが良い悪いではなく、幸せだったらやりません。

 

不適切な対応

ここまでにも「不適切な対応」に触れていますが、

改めて不適切な対応をまとめます。

 

注意ポイント

自傷行為を知ったときにやってはいけない対応

・過小評価

・過大評価

・禁止

・道徳を説く

 

この4つのポイントを理解していきます。

 

過小評価

「過小評価」とは、

先ほども触れたような「気を引くためにやってるんだから構わない」「いつものことだ…」というように、

スルーするような対応を指します。

この「過小評価」対応は、最もダメだと松本先生は指摘しています。

 

ただ、実際は、最も多くされてしまっているなと臨床経験では感じます。

そういう環境だから、自傷行為を続けてしまうと理解できることが多いです。

 

過大評価

「過大評価」とは

「どうしてそんなことしたの!?」等と怒ることや、

「どうせ私のせい!!」等と知った側が泣き叫ぶなどの、「過剰な反応」を意味します。

 

相手に感情的になられてしまうと、こちらはもっと言えなくなってしまいます。

かつ、「やはり隠さなくては」「二度とやってはいけない」と思い、

返って苦しみを吐き出す出口を塞いでしまうことになりかねません。

怒ってしまうなど、対応する側が強い感情をぶつけてしまっては、もっと傷つけ孤独にさせるだけです。

 

ただ、この対応の場合は、全てではないけれど後から取り返しがつくこともあります。

初めて知って、驚いてしまうことは当然です。

 

「さっきは驚いてしまったから聞けなかった」と後から話しを聞くなど、

改めて寄り添うことができる場合もあります。

 

禁止「ダメ。絶対」

「自傷行為はダメ。もう二度とやらないように」と禁止することは、不適切な対応です。

「自傷行為がダメなこと」なんていうことは、みんな知っています。

知っていてもどうしようもないから、なんとか生きるためにそれしか対処がないからやっているのです。

 

自傷行為に限らずですが、依存症に関して「禁止は意味がない」と松本先生は強調されています。

 

そうですよね。しないほうがいいことだということは充分分かっている。

それでも、誰にも迷惑はかけないし、それしかない、止められないから苦しいのであって、

誰かに禁止されたくらいで止められるなら最初からやってないですよね。

 

回復過程

松本先生は、薬物依存に関しても「またやるだろう。そのことも含めてこちらは治療する」とおっしゃっています。

この「またやる」ということを、支援者側がよく心得ておくことが大事だとつくづく思います。

そして「またやった」ことが、決して責められることでも悪いことでもない

回復の過程なのだと知ることが本当に大事だと思います。

 

道徳を説く

「禁止」に似ていますが、

「親からもらった体なんだから」などと「道徳を説く(説教する)」のは全く無意味です。

 

松本先生はたくさんの印象的な視点をくださっているのですが、その1つが以下です。

 

薬物依存や自傷行為などの授業を行って、心に響く人はそもそもやらない

なんらかの依存をしてしまう人は、そういう授業を行っても響かずにそのことにさらに孤独感を強める

だから、“やってはダメ”という道徳を説くことは意味がない

 

この言葉を、松本先生が中学や高校の授業で子ども達に話すだけで、救われる子がいるだろうと思うくらい、深く感銘を受けます。

 

「親からもらった体なんだから大事にしないと」なんて、そもそも大事にされていないから今苦しいんですよね。。。

 

自傷行為をする人の傾向

ここからは「適切な対応」についてまとめたいと思います。

 

まず、自傷行為をする人の傾向として「決め付けられることを嫌う」ということは覚えておきたいポイントです。

 

自傷行為をする人の9割「何らかの被害体験をしている」というデータがあります。

そのため、「加害者とダブる人が嫌い」であり、

その端的な例が「決め付けてくる大人」であります。

 

そのため、対応するときは「謙虚に行う」ことを松本先生は教えてくれています。

 

例えば、自傷行為はエスカレートする傾向があります。

それを知っていたとしたら、「エスカレートするんだよ。だからダメ」と決め付けるのではなく、

あなたは違うかもしれないけどorよく知らないけど、エスカレートするって聞くから心配」等という形で、

ちゃんと相手を尊重して対応することが大事です。

 

適切な対応

では、具体的な適切な対応を整理します。

 

ポイント

・傷を見て、傷の手当をする

・話してくれたことを支持する

・懸念を伝える

・相手の訴えを傾聴する

 

4つのポイントをそれぞれ理解していきます。

 

傷の手当て

自傷行為をする人は、体の傷の手当てをあまりしません

切ったことでストレス対処は終わることもあって、その後の傷にあまり構わないことが少なくありません。

 

体の傷を手当てしないことは心の傷を手当てしないことと同じだと松本先生は指摘しています。

 

一番良くないのは、「自傷行為は手当てしない」などという周囲の大人です。

 

自傷行為の傷をちゃんと見て、

「痛かった?」と体の痛みを聞くことが極めて大事です。

 

自傷行為が重いと、「痛くない」「麻痺してる」と答えられる人が多いです。それも大事です。

 

実際の臨床では、まず「傷を見せてもらえますか?」と伺います。

始めのころは見せてもらえないこともあります。そのときは無理強いせずに、「痛かったかどうか」等を聞いていきます。

 

これは私のやり方ですが、私は、その後もめげずに「リストカットしてしまった」等と聞いたら「傷を見せてもらえる?」と聞き続けます。

断られたら、潔く引きます。

見せてくれたら、ちゃんと見ましょう。

 

カウンセリングだと、自傷行為をしてから数日経っていて、傷そのものはもう手当てが必要ないときもあります。

でも、それでもまだ傷は残っていますから、消毒するなど、手当てをします。

 

ただ、心理士は「身体接触しない」というルールがあるので、看護師さんにお願いしてもいいと思います。

ルールに縛られず、ときには心理士が行ってもいいと思います。

 

環境がどのような場であるかで「手当て」については変わるかと思います。

 

大事なことは、「傷を見て、体の痛みを聞く」ことです。

これはどんな環境だろうとできます。そして一番大事だと思います。

 

もし関係性ができている場合で、その場で手当てできない環境のときは、

ご本人に「家に帰ってから今からでいいからマキロンで消毒するなど手当てして欲しい」と伝えます。

 

体の傷

私が心理士として一番助けになったことが、この教えでした。

心理士は、どうしても「気持ち」に関心が向きがちです。

かつ、基本的にクライエント(患者さん)との「身体接触は禁止」です。

そのため、松本先生の「傷を見てあげる」という対処を知ることができて本当に良かったのです。

この「体の傷を見ること」は、驚くくらい重要で、カウンセリングを良い方向に導いてくれることもあります。

 

話してくれたことを支持する

「自傷行為は孤独なストレス対処である」と説明していますが、

そのため「人に話して良いのだ」と思ってもらうことが大切です。

まず「自傷のこと」「つらい気持ち」を誰かに話していいという体験が重要であるため、

打ち明けられた側は「話してくれてよかった」等と受け止めることが適切な対処です。

 

同じように「死にたい気持ち」についても、こちらから聞きます。

無理強いはもちろんいけません。

ただ、自傷行為をするということは、「死にたいほどのツライ気持ちがある」ということです。

その気持ちを「黙っていなくてもいい」「話していいんだ」と思ってもらえるかどうかは、その後に大きく影響する大事な要因だと思います。

 

ただ「別に何もない」と答えられることも多いです。

これも当然の反応だと思います。

無理強いはせず、できれば「次回に繋げる」関わりができるといいなと思います。

 

懸念を伝える

先ほど「決め付けずに、でも心配していることは伝える」ことと同じ主旨になります。

「決め付けない」「受容的に接する」ことは支援する際に最も重要な姿勢です。

ただし、「自傷行為をし続けて良いよ」という態度がいいのかというと決してそうではないですよね。

 

本人は苦しんでいます。その苦しみへの対処が自傷行為なのであって、

「そのまま行っていていいよ」ということが「受容」ではありません

「自傷行為」をスルーしたり、「受容」という仮面をかぶって肯定だけに留めることは、

自傷行為の奥に抱えている苦しみをスルーし、「苦しみもそのままでいい」と言っていることと同じになってしまいます。

 

ただ、ここが対応として難しいのだとも思います。

 

それでも、「抱える苦しみへの対処が自傷行為である」ということを忘れずに、

「心配しています」と伝えることは大切です。

 

相手の訴えを傾聴する

自傷行為にはご本人なりのメリットがあります

その代表例がこれまで述べている「孤独なストレス対処」です。

「気持ちがリセットされる」「スッとした気持ちになる」等といった、ご本人の気持ちを理解します

同様に、話してくれるようならその奥の苦しみや痛みも聞く事ができるといいと思います。

 

対応する側の人へ

これまで述べてきた松本先生の教えは、対応する側の人にとって、

どれほどに心強い正しい知識だろうと思います。

 

自傷行為は、知った側も驚きます

 

私自身も偉そうに書いていますが、新人のころはどう対応していいか知りませんでした。

それに、今でも、対応に自信なんていつまで経っても持てません。

そして今でも、本当はショックを受けていることもあります。

ただ、誤解してほしくないのは、

「自傷行為は誰かにショックを与えるからしてはいけない」ということではありません。

 

大事なことは、対応する側は、自分の気持ちもちゃんと認知しておく必要があるということです。

そうでないと、人間の行動原則として「驚く→逃げる」「ショック→怒る」になってしまい、間違うからです。

なので、知った側も驚くし動揺するしショックを受けて当然です。

それが大事な人であったならなおさらです。そのことを変に抑え込まなくていいと思います。

 

そしてほとんどの人は「どう対応したらいいかわからない」ことが事実だと思います。

そのときに、「わからないから知ろう」とするのか、「どうせ大したことはないんだ」と目を背けるのかで、全く異なる道になります。

 

松本先生は「自傷行為はしてしまった後で取り返しできる」とさらに心強くしてくれています。

むしろ「自傷行為の後が私たちが介入できるタイミング」だと。

 

なので、対応する側は、過度に怯えたり焦ったりせず、ゆっくりと知っていければいいのではないかと思います。

 

ポイント

「その場で何もかも解決しようとしない」ということも、

対応する側として意識しておくと助けになるかもしれません。

ご本人は、長い年月の苦しみの上での行動です。

それを、ただ1回や2回の対応で何とかできるわけはありません。

関係性や状況によりますが、教員や支援スタッフであれば、

「次回に繋げる」関わりができればベストだろうと思っています。

 

ご興味がある方はぜひ松本俊彦先生の著書を読んでみるととても助けになると思います。

自傷行為に関しては『自傷行為の理解と援助』がお勧めです。

 

この記事の対応をすべきではない場合

この記事は、「周囲の対応する人」に関して、

「学校関係者」「医療従事者」などの支援職の人や、パートナーや親を想定しています。

 

ただ、「親の自傷行為を子どもが対応する」というケースはこの記事の対応に当てはまりません

その場合は、私は、対応する必要はないと考えます。

 

親が自分の自傷行為を子どもに見せるなどというのは、脅しです。

仮に脅しでなくても酷い行為です。

子どもである立場の方は「自分は対処できる立場ではない。医療機関を受診してほしい」と返し、

距離をとってほしいと思います。

親と子どもは、全く立場が違います。

その親は、きっとつらくて、不幸で、苦しいのでしょう。

でも、それを子どもである人が何とかしようとしなくていい。

それは、親自身が、自分で自分のケアをすべきです。

親である人は、子ども以外にも、頼ろうと思えば頼れる人や場所があります。

「親から距離を置く」ことが親のためにも必要であることがあります。

子どもの立場の人は、どうかご自身を一番に大切に、ご自分に優しくしてほしいと思います。

 

逆に、子どもが自傷行為をしてしまった場合、親である立場の人は、

ぜひ、この記事をご参考にされてほしいなと心から思います。

そして、ご家庭内や1人だけで抱えずに、医療機関など外部機関に頼りながら

少しずつ歩いていけたらと思います。

 

対応する側も一人で抱えずに

自傷行為は、リストカットだけではありません。

なので、「目に見える傷」ではないこともあります

ただ、「エスカレートしていってしまう」ことは共通するように思います。

エスカレートを防ぐには、やはり孤独にさせないことなのだろうと思います。

 

できるなら、アディクション化する前に対処ができたらと切に思います。

 

苦しんでいるご本人を孤立させないことと同じように、

対応する人も「チームで取り組もう」と松本先生はおっしゃっています。

「1人だけでなんとかしないと」というのは、どうしても追い詰められてしまいますよね。

適切な対応をしようとしている人が、誰かに適切に相談できるためにも、正しい知識が広がるといいなと思っています。

 

 

この後は、「寝子の松本俊彦先生の思い出」になります。

ご興味がない方は、読まずにここで終わりにされて大丈夫です。

 

 

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自傷行為は、双極性障害などに見受けられる「軽躁状態」や「混合状態」でも生じることがあります。

「躁状態」というと「気分が良い」というイメージですが、

イライラしたり不安が強くなったりするなどの苦しい精神症状で出ることも多く、

その行動化の1つとして「自傷行為」があります。

双極性障害Ⅰ型の記事もご興味があればぜひ!

 

余談:思い出

松本俊彦先生は、最近はテレビやネットの記事などのメディアにもたまに出ていらっしゃるので、

一般の方でもご存知の方は多いかもしれません。

精神科医で、薬物を代表とする「依存症」の第一人者の著名な先生です。

 

私が初めて松本先生の講演を拝聴したのは、

今から10年以上前、臨床心理士になってまだ間もないときでした。

それから今まで、たくさんの講演や研修を受けてきましたが、

今でも最も印象に残っている講演が松本先生です。

 

松本先生は、正しい知識を教えてくださるのはもちろんのこと、

「完璧なまでにクライエント側」であることが、ものすごく印象に残りました。

初めて受けたときの私がまだ新人で、仕事に対する軸みたいなものが不安定だったこともあったと思います。

そんなときに「完全なまでにクライエント側でよい」という強いメッセージをもらったように感じ、

すごく励まされた記憶があります。

 

その講演で松本先生は、自傷行為に関して、スライドでたくさんの自傷行為の傷の写真を映されたのですが、

それに対して目を背ける心理士に「見れないなら辞めろ」と言ってのけるなど、

「ダメな対応はダメ」と言い、矛盾も批判もいとわずにクライエント側に立つ姿勢は、強烈にかっこよかったです。

 

私はその年のスクールカウンセラーの勤務校で教員研修の講師を勤めることになっていたのですが、

テーマを「自傷行為の対応」とし、松本先生にそのときに教わったことを教員の方々へ講演しました。

「他の人たちに直ちに広めたい」と思い実行するほど、それくらいインパクトがありました。

 

「クライエントに向き合うときのこちらの姿勢」に関して、

心理の世界だととかく「クライエントに巻き込まれるな」と言われます。

今の私なら「うるせーな!」と論理的に反論して黙らせることができます。

 

でも、新人のころは「そうなのかな。あまり親身になってはいけないのかな。言っていることを信じすぎない方がいいのかな」とグラついてしまいます。

そんなときに、松本先生や信田さよ子先生からの「クライエントの話は100%信じていい」というメッセージはものすごいエンパワーされました。

(「100%信じていい」は信田先生からの教えです。松本先生も同様のことを教えてくださっていると感じています)

 

そんな新人の頃の思い出をこの記事を書くにつけて思い出しました。

当時に比べると枯れ気味の寝子も、新人時代を思い出してまた頑張ろうと思います。

 

 

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貴重な一押しをありがとうございます!!

 

 

余計な思い出話まで読んでくださって、ありがとうございます。

最後までお付き合いくださってありがとうございましたm(__)m

 

またのお越しをお待ちしております!

 

 

 

 

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