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性被害サバイバーの1事例

ある性被害サバイバーの話40 ~院浪人3年目の大学院受験~

2021年7月29日

「ある性被害サバイバーの話」を最初からお読みいただくときはこちら

前回のお話はこちら

 

大学院受験をする決心がつかないままでしたが、

12月にメンタルケア心理士資格を取得し、心から喜んでいる自分を省みて、

「臨床心理士になろう」と気持ちを新たにし、受験できる大学院を年明けから探し始めました。

 

回想:ギリギリの出願

それまでの受験に比べると、計画的ではなかったと思います。

とにかく「受かりそう」「研究計画書が使いまわしできそう」で探して、なんとか出願しました。

 

受験校がかなり遠くて片道3時間かかる上に、最寄り駅からバスという僻地にあるため、

「仕事が休みの日に下見に行こう」と思っていたのに、疲れて行けないまま、受験当日を迎えました。

 

解説:あえて考えないようにしていた?

当時は、仕事の記憶ははっきりとあるのですが、

勉強内容や受験に関しては、記憶が鮮明ではありません。

 

あえてはっきり考えないようにしていたところがあったのかなと思います。

 

このまま建築業や不動産業の事務として働き続ける精神力も底をつきてきていて、

でも、大学院に受かる自信など全くない…。

 

受験に落ちるショックはそれまでに何度も経験しているため、

どこか「頑張らないように」「期待しないように」としていたのかもしれません。

 

回想:受験当日

受験の日は、以前の「辞書忘れた事件」の反省から、

しっかりと受験の注意事項を読み、「英語の試験では辞書持込可」となっていたので、

忘れずに辞書を持っていったことを覚えています。

 

試験は、英語の試験が質問も英文で書かれていて、

「全部英語だ」に慌てたのか、回答を全て英語で書いていました。

答えをがんばって英語で書いて進んでいたら、ふと「in English」という質問文が目に留まり、

慌てて前の問題を振り返ると

「in Japanese」と書かれていて、超慌てました。

 

「in Japanese」とは「日本語で回答しなさい」と英語で指示しているのです。

 

英語でめっちゃ一生懸命解答を書いていたのよぅうううぅうううううぅうううううう

 

何問もぉおおおおおおおぉおおぉおおお

 

それまでの回答を全部消してやり直しです。

 

英文で回答書くのにも時間がかかっています。

 

ということで、なんと、最後の問題まで解き終わらずにタイムオーバーとなりました。

 

私は、試験のときに時間が足りないということがないタイプで、

点数は悪かったとしても、制限時間より早く終わることばかりだったので、けっこうショックでした…。

 

解説:動揺はあまりなかった

英語ができなかったということはあっても、

それまでの院試に比べると受験校に対する思い入れがなかったことや、

落ちたときに強いショックを受けないようにするために、

あまり結果は気にしないようにしていました。

 

ただ、「落ちたな」と思っていました。

 

回想:結果

 

合格しました。

予想に反し、一次の筆記試験は合格し、

二次試験の面接では心理科目の点数が良かったと褒められました。

 

研究に力を入れている大学院ではなかったので、一次試験に通った段階で「受かるだろう」と思っていました。

 

無事に二次試験に通り、やっと大学院に入学できることになりました

 

解説:スタートラインに

大学院合格は、「すごく嬉しかった」という感じはなかった気がします。

行きたかった大学院ではなかったことや、

かなり遠い場所にあるので通学に不安があったこと、

大学院に通う間のお金の問題などが現実味を帯びたことで、浮かれていられなかったのだと思います。

 

それでも、3年かかってやっと合格でき、

「ようやくスタートラインに立てた」と、進めたことに安堵しました。

 

私は、院浪人時代、どんなに心理学をちゃんと学びたくてもその機会を持てませんでした。

心理カウンセラーの道はすごく閉ざされて感じていました。

それがようやく「ちゃんと学べる」という道が開け、それはとても嬉しかったです。

 

解説:3年間必要だった

3年間の浪人時代、

「働きながらだったから勉強時間が確保できなくて受からなかった」という見方もありますが、

私はそうではなかったと思います。

 

内心で、「今受かっても通えるかどうか」と自分の心身に不安を抱えていました

そしてそれは当たっていたと思います。

3年間の中で、また徐々に回復していき、

「もう通えそうだな」と思ったときに合格しました。

 

大学院に対する負の感情

しかし、大学院生活は、今でも思い出すのは苦しく、怒りと憎しみ恨みで心が占められてしまうほど、

私にとっては酷い場所でした。

 

そういう場にしたのはあの大学院全体の問題です。

ただ、ミクロには、1人の教授が原因です。

明らかな被害だといえない範囲で、だからこそ悔しく、

でも私はアカデミック・ハラスメント、パワハラ、人権侵害を受けたと捉えています。

 

一方で、心理学に関してたくさんの知識やスキルを得られたことも事実です。

 

大学院での被害は、トラウマになっていません。

それが明白に分かるのは、過去の性被害体験がトラウマであり、自分の反応の違いがわかるからです。

 

ただ、トラウマになっていないからといって、

思い出しても平気とは限らないですし、

感情の整理がついているわけでもないのですよね…。

 

そのこと自体は、おかしいことではないと思っています。

誰にでも、そういう記憶はあるでしょうし、

病気になるほどの出来事でなかったとしても、心の傷にはなりますし、

スッキリできないままであってもいいのだろうと思います。

 

 

私は、過去2回の性犯罪被害より、大学院時代のことの方が感情の消化ができていません。

それは徹底的に病んで考えつくしたかどうかの違いが要因の1つだと思います。

 

感情の消化ができていない大学院時代のことをブログに書くことは、

読んだ人を不快にさせる書き方になってしまわないかと思い、

「ある性被害サバイバーの話」の記事のアップのペースが明らかに落ちていました。

 

でも、書かないのも悔しいので(笑)、

それに事例として提供できる心理的事象もありますので、

できるだけ読みやすいように今後も綴っていきたいと思います。

 

エピソードの続きだけではなく、

これまでも織り交ぜてきた「私の事例にみる心理作用」も今後書いていきますので、

お付き合いいただけると嬉しいです。

 

 

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合格したのに、暗い内容になってしまいましたが、

明るいエピソードも混ぜていけたらと思います!

 

次回は、エピソードの続きではなく、

回復後の「後日談」として「味覚の変化」について綴っています。

↑よろしければぜひ!!

 

 

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