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性被害サバイバーの1事例

ある性被害サバイバーの話⑰ ~不眠の原因と症状との付き合い方~

2021年4月7日

「ある性被害サバイバーの話」を最初からお読みいただくときはこちら

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私のケースで最も重かった過覚醒ゆえの「不眠症」について、

症状の理解と付き合い方について整理したいと思います。

 

重度の不眠症の理由

以前も書きましたが、私のPTSDの症状は「エンドレス被害時の動画」というフラッシュバックもありましたし、

眠れたかと思えば悪夢を見るということもありました。

でも、私をひどく苦しめ、状態を悪化させていく原因になっていたのは、いつも「不眠症」でした。

朝まで一睡もできない日々が続くと、うつ病になっていき、さまざまなことができなくなり、希死念慮が強くなる…。

当時は他の方の症状は知らなかったし、「なぜ眠れないか」なんて考えませんでした。

ただの症状であるし、体質だと思っていました。医師も特になにも言いませんでしたし。

 

症状および依存症を起こした背景を理解する

時期が今だけ大学院時代に飛びますが、大学院に入学して、パワハラ教授がいまして、それでまた私は具合を悪くします。

そのときに受診した精神科医にいろいろ救われることになるのですが、その医師が、私の不眠に関して

「眠ったら危険だよ、って昔のあなたが言ってるんだろうね」と言いました。

 

言われた直後は何を言っているのかわからなかったのですが、

 

私、中学のときの被害は、寝てるときに襲われているのです。

 

それで、急に腑に落ちたというか、

「ああ、そうか。私にとっては忌々しくて仕方がない憎しみしかない不眠という症状だったけど、

私なりに自分を守ろうとしていたのか。そうか。確かに寝込み襲われたから寝るのは危険だよね」と。

 

これは単なる「解釈」で、本当に正しいかはわかりません。

でも、自分を苦しめる「症状」に対してさまざまな角度から理解を深めることは回復に重要だと思っています。

 

「寝ているときに襲われた」から「不眠」だということは理由付けられても、

「自分で自分を守っている」という見方は全くしていませんでした。

そして、「いまいましい…」としか思っていなかった症状に対して、初めて優しい気持ちを持ちました。

 

「症状」は、本人にとっては本当に苦しみでしかなく、それを出してる自分も嫌になります。

でも、「自分が嫌」と自己否定していては回復しないことは事実です。

そして本当に、症状にはいくつかの意味がこめられていると思っています。

 

自分を正しく知ることは何よりも本人の助けになると思っています。

 

「症状をなくそう」ということにこだわり過ぎていないか

もう1つ、向精神薬依存から脱し、不眠症が少しだけですが緩和されたポイントに、

「不眠を治そうと必死だった私」から「もう治らなくてもいっか…」と、

「治そう治そう」としていた気持ちが変わったときがありました。

不思議なことに、そう思ってから少しは眠れるようになり、あれだけこう着していた状態が前に進んだことがありました。

あまりに症状がひどいと、日常生活が営めませんので、程度の問題があると思いますが、

どこからかは「症状と付き合っていく」と症状をあるものとして認めてやっていったほうが

日々が豊かになることもあるのかなと思います。

 

自分の中で症状への対処法の基準を持つ

私は、中学のときに被害に遭ってから、「大人の健康な自分」がわかりませんでした。

現在、それなりに健康になり、少し分かるようになりました。

 

あくまで私の場合を例にしますが、

「不眠」について、「眠れないと嫌なことばかり考えてうつ的になる」は、危険です。

1人で耐えずに、病院を受診して欲しいです。

当時の私は、それが通常だったのでわからなかったですが、

同じ「眠れない」でも、「死のうとまで思わない。さほど暗くならない」ならセーフ(?)かもしれません。

ただ、当然ですが、「うつ的」にならなかったとしても「翌日の仕事に支障が出る」などは、

危険ですので受診を検討してほしいと思います。

 

うまく言えませんが、「症状と付き合っていく」という判断基準は、

こういうことなのかもしれないと思っています。

 

誰にでも、「強くでる症状」があるような気がします。

頭痛や腹痛など身体症状もそうですね。

ストレスがでやすい場所があるかと。

その症状との上手な付き合い方、

「病院など専門機関に通って減らす」「他のことをして気分転換する」など、

ご自身の中で、線引きみたいな基準をうっすらでも持てると、

悪化せず、かといって症状に縛られた生活ではなく、

それなりに自分らしい生活が送れるのではないかと思います。

 

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お読みいただいてありがとうございます。

次回は、もう一度「依存症」について「トラウマと依存症」の記事では書ききれなかったことを整理したいと思います。

続きはこちらです

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