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性被害サバイバーの1事例

ある性被害サバイバーの話⑬ ~状態の悪化が体や行動から溢れ出す~

2021年3月26日

「ある性被害サバイバーの話」を最初からお読みいただくときはこちら

前回の記事はこちら

※この回は特にネガティブな内容になるので、しんどい方は無理に読まずスルーしてくださいね。

 

定期的に学校に行けなくなっていたので、当然ながら留年しました。

当時は、退学を何度も考えました。

学校は休んでいても多額のお金がかかることと、

「この学校がダメなら元気になってから別の学校に」

というわけにはなかなかいかないので、

相当なプレッシャーになっていました。

今でも「授業に行っていない」という悪夢にうなされます。

大学を中退してカウンセラーになれないかときどき調べてもいました。でも、ありませんでした。

 

大学留年は、ちゃんと考えた結果かというと、そんな状態ではなかったなと思います。

でも、どうしても臨床心理士になりたかったこと、

親が学歴主義なので、大学中退を止められたことで留年になりました。

 

症状と行動化

大学4年は、「混乱極まれり」というほど、症状が多岐にわたりました。

・うつ状態の悪化

・「夜の街」で働く

・街で変な人についていってしまう

・向精神薬中毒がひどく、排泄もまともにできなくなる、夜中に意識混濁して倒れる

。。etc

これらを順にみていきたいと思います。

うつ病の症状:強い希死念慮

重いうつ状態であったし、被害の痛みからも何度も本気で死のうと思いました。

「中学のときに死んどけば良かった」と何度思ったかわかりません。

カウンセラーになる夢はありましたが、

それもそもそもは「被害のせいで普通の人生を歩めなかった」という暗さを伴っていました。

そして、『未来の短縮化』がありましたから、例えカウンセラーになれたとしても、

「なったら死のう!」であって、その後の見通しを持てていたわけではありませんでした。

 

でも、死のうと思うたびに

「どうせ死ぬなら臨床心理士になってからだ。そうじゃなきゃ、私は性犯罪を犯されるためだけに生まれてきたことになってしまう」

という思いが、この世に踏み留めました。

 

うつ病の症状「貧困妄想」と「再演」の絡まり

「夜の街で働く」ことの詳細は書きませんが、

その職種を否定しているわけでは決してないことをあらかじめお伝えいたします。

その上で、私の場合は、良い経験とは言えません。

職種の否定ではなく、ただ、私のように「必要がないのに症状がそうさせた」という場合は、

やらないほうがいいです。気づいた時点で辞めて欲しいと思っています。

なぜなら、これは「再演」であり、自傷行為であり、被害の傷を増やすことだからです。

 

当時はPTSDだけではなく、明らかにうつ病も併発していました。

PTSDは、気分障害や摂食障害、他の精神疾患を必ずといっていいほど併発しますね。

さらに、一見するとパーソナリティ障害に見えたりと、複雑ですよね。

これもPTSDの重篤さをあらわしていると思います。

 

その上で、私の当時の状態を振り返ると、

男性嫌悪がすごかったのに夜の街で働きだしたのでは

「貧困妄想」があったからでした。

 

ポイント

うつ病が重篤になると、「貧困妄想」といって、

実際にはお金が充分ある・あるいはそこまで心配するほど経済的に困窮していないのに、

「自分にはお金が全くない」と思い込んでしまう症状です。

 

「貧困妄想」に「再演」が絡まった状態になっていました。

 

関連

「再演」とは、トラウマになるような出来事を繰り返してしまうことをいいます。

「再演」についての詳しい記事はこちらです。

「どうしてあんな行動をしてしまったのだろう?」

「なぜいつも加害的な人に惹かれてしまうのだろう?」といったことがありましたら、

「再演」の記事「ストックホルム症候群」の記事をお読みいただけると

自己理解や整理に繋がることがあるかもしれません。

 

私の場合も、「自分がされたことは大したことではないことだ」と確認するために行うという面があったと思います。

 

ただ、それに加えて、

幼少期に被害に遭ったために「自然に自分を守る」力が弱かったこと、

危険へのハードルが低かったことも影響していたと分析しています。

「再演」のように自ら向かっていかなかったとしても、

一度でも被害に遭うと、普通なら自然に身につく「身を守るバリア」みたいなものが

身につかないままで、「再演」や「自己肯定感の低さ」などがさらに絡み合って

被害に遭いやすくなってしまうんだと思います。

 

参考

一連の自分の行動や思考を理解しようとするとき、

複数の要因が絡んでいることがあります。

なので、1つ1つ腑に落ちることを見つけていけるといいなと。

1つの説明で「ちょっと分かったけどまだ何かある・・・」

と感じたときは、さらに丁寧にみていきたいですね。

 

対処法としては、「再演」に関してはとにかく気づくことがとっても重要です。

無意識を意識化することで、ある程度コントロール可能になります。

しかし、気づいても止められないこともあります。

それは、自傷行為や強迫行動の一種だったりしますので、

1人で短期間でなんとかできるほど簡単ではないかなと思いますので、

ぜひ病院の受診やカウンセリングをお勧めします。

 

ただ、しつこいですが、具体的な対処法以上に、

無意識に気づくこと、どうしてそうしてしまうのか自分を理解することは、根本的な回復に繋がります。

「自分で自分を理解できない」というのは、

意外と自分を蝕んでいってしまうものです…。

逆に、腑に落ちて理解できると、それは「自己肯定感」にも繋がります。

 

『再演』について改めて整理した記事がこちら「再演というトラウマ反応」です。

ご興味があればぜひ!

 

回想:思考力低下と再演

街で声をかけられた人についていってしまう。

 

解説:というか突っ込み

街で声をかけてきた知らない人についていってはいけません。

こんな当たり前の自分を守る行動すら、

できなくなるのが性被害であり、「再演」の複雑さです。

 

正直、「あのときに全力で止めてくれる人がいたら」と思ったこともありました。

後からはなんとでも言えますが、そのときは、私にはそうするしかなかったのだと思います。

ただ、やはり「貧困妄想」という症状があるとか、

「再演」という無意識の作用があるとか、

知識があったら助けられたと思うのです。

だからみなさまに正しい知識をできるだけ届けたいと思ってしまいます。

 

日々の多量服薬による影響

日々の多量服薬の影響で、

ろれつが回らない・まっすぐ歩けないなどになっていき、

果ては排泄がちゃんとできなくなるまでに至っていました。

 

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そして、ある日、多量服薬によってけいれんを起こし倒れます。

そのことを当時の主治医に伝えると、

大学病院に行くよう言われ、大学病院を受診することになります。

 

次回は、私の事例を少し離れて、

トラウマと関連が深い依存症について触れます。

続きはこちら

 

 

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