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「マインドフルネス」が有効に働くには? ~「“今ここ”がピンとこない」のはなぜ~

 

こんにちは~。

 

今日も雑談をしたいと思います。

 

今日のテーマは「マインドフルネス」です。

 

皆さま、「マインドフルネス」という言葉は聞いたことがある人が多いのではないかと思います。

 

ヨガなどでも使用されますし、心理療法としても年々注目されている有効な療法です。

 

私はつい最近まで、「マインドフルネス」の言ってることが「なんのこっちゃ?」とよく分からなかった上に、

理屈ではなく感覚的にピンとこなかったのです。

 

それは私だけでなく、患者さんも同じ反応をされる方々がけっこういらっしゃいました。

 

一方で、簡単に「マインドフルネス」ができる人たちもいる…。

 

そんな私が最近はマインドフルネスがよく理解でき、自分で実施できるようになったこと、

患者さんによって「マインドフルネス」ができる段階かどうかの見極めがある程度可能になったことから、

トラウマケアとしてのマインドフルネスについてのお話です。

 

先日まで記事にしている「ポリヴェーガル理論」「神経生物学的パーツアプローチ」によって理解することができました。

 

「マインドフルネス」とは

「マインドフルネスとは何か」をまず知っていきたいと思います。

 

マインドフルネスとは、「今ここ」にある「感覚」に注意を向けて

評価せずに受け入れる状態を意味します。

 

もともとはブッタの瞑想法に由来するとされています。

 

「マインドフルネス」は、ヨガにもスピリチュアルの世界にも親和性があり、一般の人にも広まっています。

 

心理療法としては、認知行動療法(CBT)が「第3世代」として、

それまでの認知行動療法のやり方から「思考や感情を修正せずに受け入れる方法」として「マインドフルネス」を取り入れました。

 

そのことにより、エビデンスもしっかりと出し続けたことで、心理療法の世界で広がりを見せ、

今では信頼性のある療法として確立されたといっていいと思います。

 

「マインドフルネス」は、CBTというより、単独に成り立っているものであり、他の療法にも取り入れられています。

 

類似の療法

「マインドフルネス」は、似たような療法は他の学派でもあり、その1つが「フォーカシング」だと考えています。

 

歴史的に、どのような文化でも、いつの時代も「今の感覚に注目することが人を健康に導く」と気付いていたということなのだろうと思います。

 

最近は、マインドフルネスの発展系として「セルフ・コンパッション」が発展しています。

ブログでもご紹介させていただきました。

 

一口に「マインドフルネス」と言っても、実際は微妙にやり方が違うのです。

 

そう、まさに微妙に・・・。

 

共通するのは「評価しない」「受け入れる」「今ここ」という点です。

 

私がわからなかった感覚

私は心理士として、以前「フォーカシング」に惹かれて、研究対象にしようと考えたこともありました。

 

ただ、「フォーカシング」は「今ここの身体感覚をぴったりとくる言葉にする」という過程があったので

「言語化」に惹かれたんだと思います。

 

一方で、CBTが取り入れて広まった「マインドフルネス」は「今ここ」に佇んで「観察する」というような説明で、

私には「今ここに居ながら」という強調が、感覚的にどうも理解ができなかったのです。

 

理屈では「過去でも未来でもなく、“今ここ”に居ながら自分の内面を俯瞰する」というのは頭では分かっても、

感覚的にどうしても入ってこなかった…。

 

「“今ここ”って言われても、“今ここ”に居ますけど???これをどうしろと???」

 

みたいな。

 

患者さんの方々

私は医療機関で働いているので、「元気な人をさらに健康に」という方向ではありません。

 

その中で、患者さんたちも「マインドフルネス」を知りながら、

実際に効果をあげるのは、従来のCBT(認知療法や行動活性化)であったり、

感情の整理や消化のための支持的アプローチであったり、精神分析的解釈であったりしました。

 

つまり、「マインドフルネス」は、患者さんたちにもいまひとつ適用しないということがありました。

 

私は当時、「私自身がマインドフネスの有効性を実感できていないし、理解も乏しいからだろう」と患者さんたちの反応を考えていました。

 

しかし、私がマインドフルネスを深く理解し、有効性を実感した後であっても、患者さん達の適用率は変わりませんでした。

 

そうなりますと「私のスキルの問題」という要因がゼロにはならないとしても、主要因ではないということになります。

 

「マインドフルネス」を使用しなくても他の方法で良くなれば問題ないのでありますが、

カウンセラーとして引き出しはたくさんあったほうがいいし、

とにかくマインドフルネスはエビデンスをしっかりと出しているのです。

 

マインドフルネスは有効性が実証され、拡大していっている流れがあり、

「どうにかもう少し患者さんに役立てられないだろうか」と考えるようになっていました。

 

マインドフルネスは副作用的な影響が非常に少なく安全な療法である上に、

対処療法ではなく、根本的に回復させてくれる素晴らしい療法であると、

本当に理解した後では思うようになっています。

 

「今ここ」を実感する難しさ

「どうも私のスキルの問題だけではないようだ」

「マインドフルネスができる人と向かない人がいる。その違いはなんだろう?」

と考えを進めていきました。

 

まず、私自身、心理士の卵だった時代に「フォーカシング」に興味をもったものの、持続しなかった経験もあり、

けっこう長い間「マインドフルネス的なものは個人的には合わない」と考えていました。

(「CBTは使用するけど個人的には惹かれていない」と同じ感じです)

 

では、なぜできるようになったのか。

 

それは神経生物学的パーツアプローチにおける「マインドフルネス」に出会ったからです。

 

「マインドフルネス」そのものの有効性は理解していたつもりだったし、

「セルフ・コンパッション」はすごく魅力的だと思って自ら取り組みました。

 

でも、理屈ではなく“感覚的に”、それこそ“今ここ”の“身体感覚”として実感できたのは、

神経生物学的パーツアプローチにおけるマインドフルネスによってでした。

 

先に「マインドフルネスのやり方は、細かくはそれぞれによって微妙に異なる」と書きましたが、

神経生物学的パーツアプローチのマインドフルネスも、CBTやセルフ・コンパッションのそれとは細かいやり方が異なります。

 

「マインドフルネス」の違い

神経生物学的パーツアプローチは、記事にまとめたとおり、

「トラウマケア」であります。

 

一方で、一般にいう「マインドフルネス」は、

「今ここに居る」という感覚や意識を深めることで健康を増進しようというものです。

つまり始めから「”今ここ”に居ることができる」という暗黙の前提があるのです。

 

この前提の違いが、大きな違いを生んでいるのだと分かりました。

 

「今ここ」がわからない

あくまでも私の考え方ですが、

今の自分を苦しめるほとんどは「過去のトラウマ反応」なのではないかと考えています。

 

それは強烈な怒りや映像のフラッシュバックといったわかりやすい反応に限りません。

 

弱く目立たない苦しさも、過去のものであり、

だからこそ癒すことができるとパーツアプローチで知ることができました。

 

そう考えると、幼少期から苦しみを抱えていた場合、

「今ここ」と言われる「今ここ」は過去の反応で占められているために、

「“今ここ”がわからない」

あるいは

「意識としては“今ここ”に居ますよ(過去の反応に占められているとは気付いていない)」

という事態になっているのだろうと推測しました。

 

少なくとも、かつての私は分かりませんでした。

自分では「今」を生きていると思っていたし、苦しい感情も「今」起きていると疑いませんでした。

 

神経生物学的パーツアプローチのマインドフルネスによって、

初めて、「自分に“今”起きている感情は“過去の”私の反応なのだ」と実感することができました。

 

つまり、始めから「今ここ」を前提としたマインドフルネスではなく、

「今」と「過去反応」を分けることを可能にするマインドフルネスがトラウマケアの視点では不可欠なのだと理解するに至りました。

 

「できる」「できない」の違いとは

では、私に限らず、患者さんたちも、マインドフルネスに対して魅力を感じない、できないなどが見受けられるという話に戻りたいと思います。

 

マインドフルネスとは、非常に感覚的なものです。

従来の認知行動療法や精神分析のように言語化しきれるものではありません。

 

まさに「言葉にできない身体感覚」であります。

 

このポイントを踏まえた上で、マインドフルネスが「適用する・しない」と「ポリヴェーガル理論」が結びつきました。

 

ポリヴェーガル理論

マインドフルネスを「活用できる人」と「合わない人」の違いを考えたとき、

 

「神経系が居る位置が違うのではないか」という結論に至りました。

 

ポリヴェーガル理論では、自律神経を3枝として、それぞれの働きを明示しています。

「腹側迷走神経」

・遊ぶ

・話し合う

・楽しむ

 

「交感神経」

・戦う

・逃げる

(可動化・過覚醒)

 

「背側迷走神経」

・凍りつく

・抑うつ

・無気力

(不動化・低覚醒)

 

自律神経系は、この3段階を「行ったりきたりする」ことで心身に影響を与えます。

 

トラウマを受けると、一番下の「背側迷走神経」が活発になり、

そうなりますと、自律神経は「背側迷走神経」と「交感神経」を行ったりきたりして調整しようとするので、

「ハイか抑うつか」といった極端な反応になっていまい、

疲れてしまうとされています。

 

神経系のスイッチングが「背側迷走神経」と「交感神経」の状態になっているということは、

「安全ではない」という信号です。

 

ポージェス博士

別の記事でも繰り返していますが、

ポリヴェーガル理論の「ポージェス博士」は神経系の科学者で、臨床家ではありません。

 

ご本人も「まさか自分の研究がトラウマ臨床に寄与するとは!」と非常に驚いていらっしゃいます。

 

そんな形で、良い意味でポージェス博士がトラウマ臨床に巻き込まれていく中で、

天才ポージェス博士が、既存の心理療法の中で「効果があるのではないか」と唯一思った療法が

 

 

マインドフルネス

 

 

でした。

 

 

しかし、マインドフルネスの有効性を検討する中で、

「マインドフルネスでさえ、安全な中で行わなければならないことに気付いた」と記し終えています。

 

つまり、ポージェス博士的には、

「マインドフルネスでさえ、神経系が安全であると感じられている状態で行わないと効果がない」ということです。

 

「安全かどうか」

先のポージェス博士のコメントは深いものだと私は解釈しています。

 

本人が「意識的に」「客観的に」安全だと思っているかどうか、ではないのです。

 

「神経系が」安全だと反応しているかどうか。

 

神経系が安全だと反応していなければ、マインドフルネスは適用しない。

 

このポージェス博士の短い一言は、私のこれまでの疑問を説明することを可能にしてくれました。

 

要するに、ご本人の状態が、「交感神経」あるいは「背側迷走神経」が活性化されていると判断される場合

マインドフルネスをそのまま用いてもできないというのは、

神経系の反応として理にかなっている当然の反応ということです。

 

確かに、「今ここに佇む」って、簡単そうに聞こえますが、安全な状況ではないとしたら、

怖くて瞑想なんてできないですよね。

 

ヨガでは流行る理由

ポリヴェーガル理論の神経系の状態で解釈すると、

「ヨガやスピリチュアル系ではマインドフルネスがすごく広がっているけれど、医療臨床ではいまひとつ」

という事態の説明がつきます。

 

ヨガができる人たちは、一定程度すでに健康ですよね。

 

重度のうつ病であったらヨガなんてやっている場合ではありません。

 

すぐにマインドフルネスが感覚的に理解できて実行できる状態は、

神経系が「腹側迷走神経」の状態で「安全だ」とできているために、

「さらに健康の増進」としての「マインドフルネス」を活用できる。

 

一方で、トラウマを抱えていたり障害に悩まされていたりすると、

神経系は「安全ではない」と交感神経や背側迷走神経にスイッチングしているため、

意識や客観的な環境が安全であったとしても、

身体的には警戒を解かないためにマインドフルネスはできないということなんだろうと思います。

 

どうしたらいいか

では、どうしたらいいかという段階に進みたいと思います。

 

まず、自分の状態が「背側迷走神経」や「交感神経」が活性化していて、

「腹側迷走神経」の活動はほとんどなさそうだ、という場合には、

マインドフルネスよりもとにかく休むとか、一人で少しでも落ち着ける時間を大切にするなど、

そういった対応が大事になると思います。

 

ただ、この記事は「マインドフルネス」と「心の傷の回復」に焦点を当てるので、

他の対処法があるのはおいておいて、話を戻したいと思います。

 

ポリヴェーガル理論の限界

ポリヴェーガル理論は、他の記事でも述べているように、

革命的な発見であり、科学的な証明ですので、素晴らしいものです。

 

なので、それだけでノーベル賞級の価値があると私は思います。

 

その凄さゆえに、「なんとかトラウマ臨床に応用できないか」と治療法の開発が盛んに行われています。

 

繰り返しになりますが、ポリヴェーガル理論は、そもそも「トラウマ臨床」に留める理論ではないはずで、

もっと広く周知されて欲しいなと強く熱望しています。

 

(自律神経の新たな発見であった「ポリヴェーガル理論」がなぜ「トラウマケア」になったのかという、「凍りつきや解離を説明した」という科学的な側面以外の余談を、そのうち書くかもしれません笑)

 

…戻りまして、「ポリヴェーガル理論をトラウマ臨床に治療法として何とか確立できないか」と模索している最中であるために、

今はまだ、「背側迷走神経系にスイッチしてしまった場合、どう腹側迷走神経経路に戻るか」ということを模索中の段階です。

(ただ心理教育を主軸としたガイドライン的な方法は既に見出されています)

 

でも、これはポリヴェーガル理論としてはであって、これまで、

様々な心理療法などでトラウマは癒され回復できることは証明されているかと思います。

(なので、安心してくださいね)

 

マインドフルネス

マインドフルネスの有効性に話を戻します。

 

「マインドフルネスは安全だと感じられていないとできない」のだとしたら、

どうしたら、「安全だ」と神経系が認識してくれるでしょうか。

 

まさに、「どうしたら“安全だ”と神経系が反応するか」ということに焦点を当てて

ポリヴェーガル理論を臨床に応用しようとされている先生方が研究されています。

 

そこで、「マインドフルネスは安全でないとできない」というメカニズムであるなら、

逆説的に「マインドフルネスができたら、神経系は“安全なのだ”と認識できる」といえるのではないか。

そうできれば、マインドフルネスによって、腹側迷走神経経路にアクセスできるようになるのではないか。

 

 

「安全ではないと神経系がスイッチしている状態でも、マインドフルネスを実施できるマインドフルネス」

 

 

それが

 

 

 

 

神経生物学的パーツアプローチのマインドフルネス

 

 

 

 

だと、私は結論づけることができました。

 

 

パフパフどんどんドン~~~!!!

 

 

これぞ

 

 

 

寝子流統合的心理療法!!!

 

 

 

あ、1人で興奮してすみません。

長年の疑問が解けて、既存の知識と臨床での感覚が一体化した感じを久しぶりに感じてテンションあがってしまった…。

 

ただ、やはり、それでもマインドフルネスを適用するには段階があるとは思っています。

 

まるで「私がひらめいた」みたいに読めるかもしれないですけど、そんなことないですからね。。

 

でも知識と臨床での肌感覚とが繋がって、

今後、どういった状態のケースにマインドフルネスを適用するかがクリアになってちょっと嬉しいです。

 

それで、とにかく仕事用に患者さんたちが家でも自分でできるように

「神経生物学的パーツアプローチによるマインドフルネス」のやり方を紙にまとめて、お渡しするようにしました。

 

 

それで、「これを必要な人にダウンロードできるようにブログにもアップできないかな」と考えてるんですけど、

万が一、私の患者さんがこのブログを読んでいたら(そんなに多くの人には読まれていないブログなので大丈夫だろうけど)

身バレするのでダメだから内容を変えないとなぁ~、でも内容変えたらおかしいよなぁとか、

 

そもそも「どうやってワードをワードプレスにアップすればいいのか分からない」というPCスキルの問題(深刻w)でできていませんが、

でも、いずれアップしたいなと思っています。

 

 

本当は「トラウマによる解離を理解する」という記事に書いてあることが

神経生物学的パーツアプローチによるマインドフルネスのやり方なので、ご興味がある方はそちらをぜひ。

 

ただ、読み返すと、「マインドフルネスのやり方」としてはわかりにくいんですよね…(謝)

 

なので、別紙、ご興味ある方がお家でできるように資料をアップできたらなと思っています!(いつになることやら汗)

 

でもどちらかというとその前に「ポリヴェーガル理論」に基づく心のケアの方法を書きたくなっている今日この頃です。

これは近々アップするかもです♪

 

 

 

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↑いつもいつも、飽きもせずに一押しを本当にありがとうございます!!

 

 

 

雑談にしては長くなってしまいました(^_^😉

 

最後までお付き合いくださってありがとうございました!

 

またのお越しをお待ちしております♪

 

 

 

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