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心理豆知識

【神経伝達物質】セロトニンやドーパミン、オキシトシンって心にどんな影響があるの?

2021年6月18日

 

今回は、みなさまも1度は聞いた頃がある神経伝達物質の解説をしたいと思います!

 

「梅雨ストレス」の記事ではセロトニンが、「統合失調症」の記事ではドーパミンという言葉が出てきましたが、それらは神経伝達物質の1つです。

 

そこで今回は、セロトニンドーパミンオキシトシンという3つの有名な神経伝達物質を取り上げて、

どのような役目があるのか整理したいと思います。

 

今日は「臨床心理」の専門ではないのかもしれないけれど、

心の健康に影響をする神経伝達物質について大まかに知っていければと思います。

 

神経伝達物質とは

神経伝達物質とは、ものすごく簡単に済ませますと、「脳神経系で働く物質」です。

そのため、心身にあらゆる信号となって影響します。

 

セロトニン

セロトニンは、「気分」と関係しているといわれています。

もともとは、トリプトファンというアミノ酸が食物から吸収されて

脳に渡ってセロトニンが生成されます。

 

セロトニンはうつ病との関連で有名かと思います。

うつ病でなくても「気分が晴れない」「ゆううつ」といった「落ち込んだ気持ち」全般に関連しています。

 

うつ病であるとセロトニンの生成が少なくなって足りなくなります。

そのため、服薬や「日光をあびる」などのセロトニンを増やす対処が有効になります。

 

SSRI

「パキシル」が代名詞的な薬である(と個人的に思っている)SSRIという抗うつ薬を聞いたことがある方がいらっしゃるかもしれません。

このSSRIは、脳内のセロトニンを増やす働きをするお薬です。

 

ドーパミン

ドーパミンも皆さま聞いたことがあると思います。

ドーパミンは、「意欲」「情緒」に関係しています。

ドーパミンが適量に働いていると、元気で意欲的に気持ち良く活動できます。

 

ただし、ドーパミンが過剰すぎると、情緒が不安定になり、幻覚などを生じさせます。

ドーパミンは、統合失調症の発症と深く関わっています。

ただし、なぜドーパミンが過剰に分泌されるのかは解明されておらず、遺伝性や個人の特性や環境因などが絡み合って発症すると推測されていますので、

「ドーパミンの分泌をおさえないと!」と思う必要はないかと思います。

 

逆に、ドーパミンがあまり働くなると、パーキンソン症状が起きることがあります。

 

パーキンソン症状

パーキンソン症状とは、「手足がしびれる」「体がスムーズに動かせない」といった身体機能の症状です。

高齢者の方に多く発症しますが、若い人の発症もあります。

 

オキシトシン

オキシトシンは「幸せホルモン」とも言われていますね。

幸せを感じると「オキシトシン」が分泌されるといわれています。

 

オキシトシンがたくさん分泌されると「愛情」「連帯感」「情緒的結びつき」を感じられます。

 

一方で、思考力や冷静な判断力は低下するとも指摘されています。

 

オキシトシンは、恐怖などのストレス反応を軽減し、摂食行動も制限するといわれています。

とても嬉しいことがあったとき

「胸がいっぱいで食べられない」という表現がされることがありますが、

それはオキシトシンの作用かもしれません。

 

逆にいうと、幸せを感じられない時やなんとか少しでも恐怖を緩和しようとするときに、

「食べる」という行動を取ることで神経伝達物質を分泌しようと作用することがあるのだろうと考えられます。

セロトニンやオキシトシンが分泌されれば、恐怖やストレスが少し和らぐのですから、

人間の本能的な反応として、一瞬落ち着くために「食べる」ことで対処していることがあるのかもしれないと思います。

 

増やし方

ここであげた3つは、心にとても影響する神経伝達物質ですよね。

では、これらを増やすにはどうしたらいいか大枠をおさえたいと思います。

 

セロトニン

セロトニンの生成は「日光」との関係が明らかになっています。

日照時間の減少によって「冬季うつ」などが起きるほど、「日に当たる」ことはとても大事になります。

晴れの日ほどではなくても、曇りや雨でも効果はあります。

 

また、「一定のペースでできる運動」はセロトニンの生成に繋がります。

 

「日を浴びる」「一定のペースの運動」といえば「散歩」ですね!

 

ポイント

セロトニンは、「朝の起床後に散歩をするとより活性化される」そうで、

医師がよく「朝散歩」を勧めるのはこの理由からです。

朝起きてから1時間程度の間に、15分から20分くらいウォーキングすると良いらしいです。

ただ、これも人それぞれの生活パターンや合う合わないがありますので、ご自分のペースが何より大切です。

 

またセロトニンの元となるトリプトファンというアミノ酸は、体内で生成されず食物からしか摂れません

なので、「たんぱく質」を食べるようにするとトリプトファンが摂れます。

 

ドーパミン

「意欲が出ない」ときはドーパミンが減っているのかもしれません。

そんなときは「たんぱく質」と摂りましょう。

ドーパミンは、チロシンというアミノ酸を吸収して生成されます。

最も多く含んでいる食品は乳製品です。

大豆製品や牛乳、チーズなどを食べるようにしてみるといいかもしれません。

 

オキシトシン

オキシトシンは、スキンシップやマッサージ人との暖かい気持ちのやり取りで分泌されます。

なので、「心を許せる相手との会話」は、とても良いと思います。

悩みを相談してもしなくても、「おしゃべり」は人を幸福にするということですね。

昔から「井戸端会議」と言われている人の行動は理にかなっているのだなぁと感心します。

 

子どもが怖いことがあると親に泣きつくのは、

「スキンシップで恐怖心が和らぐ」という本能的な対処なのですね。

 

ペット

ペットに癒されている方は多いかと思います。

ペットと触れ合うことはスキンシップにもなりますし、

可愛い眼差しで見つめられることもオキシトシン分泌になります。

「愛情の呼応」はとっても大事なのですね。

 

運動とたんぱく質

この項目は、「運動とたんぱく質は万能」的な部分に「無理することはない」という見方を追記します。

 

適度な運動とたんぱく質の摂取は、セロトニンやドーパミンなどを生成し、心身のバランスを整えるとされています。

どんな研究を見ても、「たんぱく質と運動は正義!」と思わされます笑。

私も運動は大事だと思います。

 

けれども、忘れないでいたいところは「それがストレスになっていたら意味がない」ということです。

 

状態が悪いと運動できない

精神疾患で状態が重いと、運動はできないですし、しなくていいです。

運動をそれまでやってこなかった場合に、「運動が可能になる健康レベルはハイレベル」だと私は思っています。

 

私は医療臨床なので、比較的重い患者様をみてきているせいかもしれません。

あくまで私の見方ですが、「適度な運動を適度にできるとしたら、ある程度健康」なのだと思います。

 

注意ポイント

もちろん、「運動できていたら心は健康」というわけではありません。

ここで取り上げているのは「運動をしていなかった人が運動をする」という場合を想定しています。

 

お伝えしたいことは、「運動運動」言われても、

 

それどころじゃねーんだよ!

 

っていうのも全然アリだということです。

 

無理して負担に思ってまで行うことはありません。

繰り返しますが、忘れないでいたいことは、あくまでも「自分が心地よいために」なのです。

そして生きる上で優先順位がありますよね。

日課が重荷になっていたら止めていいのです。

でも、運動や食生活の改善が今の不調の緩和に繋がったり、

やってみて合うようなら続けていけたら素晴らしいかもしれません。

 

いずれにしても、今の自分に合うことは、必ずしも一般的な策とは限らないので、そういうときは自分を大事にしてほしいと思います。

 

運動は、「1年後にできるようになっていたらいいな」でもいいわけですし、大丈夫です。

 

筋トレとプロテイン

「筋トレ」「たんぱく質」も心身の健康にいいといわれています。

 

ただ「たんぱく質」の消化吸収には、肝臓を酷使するのですね。

 

また「筋トレ」も肝臓や腎臓との関連が議論されていますし、

何より、重いうつ病などの場合には、かえって悪化させてしまいます

 

つまり、「筋トレしてプロテイン摂取」というのは、二重に内臓を働かせるので、もともと一定以上内臓が強いことが必要です。

 

また、肝臓は、お酒や薬の解毒だけでなく、「疲労」が蓄積する場所です。

なので、本当に状態が悪いときに「運動やたんぱく質の摂取」をすることはさらに疲れさせてしまうことがあります。

 

ただし、「脂肪肝」の疑いがあれば、筋トレした方が肝機能に良く、

やはり自分で自分の状態を見極めることは一番大事なポイントなのだろうと思います。

 

自分に合った過ごし方を見つけよう

繰り返しになってしまいますが、大事なことは、

「自分の反応を見てあげる」ことです。

そして、「自分の状態は変化する」ものです。

前に合わなかったことも今は変わっているかもしれません。

今合わないことは、もしかしたら数年後には趣味になっているかもしれません。

 

なので、改めて「試してみる」ことは自分に有効な対処法に気付ける手段だと思います。

 

食べ物の好みだって変わりますものね。

 

「美味しいか」「楽しいか」は重要なサインです。

 

それに、継続も「合えば」すればいいのであって、

合うかわからない前から「継続しなきゃ!」と自分を縛ることはないと思います。

 

自分に何が合っているかわからなったら、とりあえず玄関を出て、「ちょっと散歩」してみるといいかもしれません。

試してみながら合いそうなものに出会えるといいなと思っています。

 

 

食生活と運動は確かに大切です。

ただ、誰にでも合う画一的なものはありません。

心理士の立場としては、食生活や日課は、ぜひ「自分の感覚」に耳を澄ます機会になったらいいなと思っています。

 

 

 

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今回は、よく見聞きする神経伝達物質を整理しました!

 

なんだか「運動しなくてもたんぱく質摂取しなくてもいい」的な最後になってしまいましたが汗、

もちろん運動とたんぱく質は心身の健康にとても良いと思います!

 

 

梅雨を言い訳にしがちですが、

雨でも日の光は届いていますので、

セロトニンを生成しにお散歩に行ってこようと思います!

 

次回は、「再演」「成功恐怖」のベースとなると考えられる

「認知的不協和」という心理機能を深堀りしています。

「認知的不協和」は人の心理の基本作用ですので、ご興味があればぜひ!

 

 

今日も最後までお付き合いくださってありがとうございましたm(__)m

 

 

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