今回は、季節にまつわる心の健康に関して、
「夏」に気を付けたいことをご紹介したいと思います。
梅雨が明けましたね!
梅雨は湿度と日照時間の減少や気圧の低さなどで体調を崩しやすい季節として有名ですよね。
詳しくは「梅雨ストレス」の記事でご説明しています♪
では、夏はどうでしょう?
あくまでも傾向になりますが、
「夏は活動的になりやすい季節」です。
もちろん、個人差は大いにありますので、
「夏はうつっぽくなりやすい」という方もいらっしゃるかと思います。
ただ、この記事は「夏より冬の方が気持ちが沈みがちで行動が億劫になる」という方に向けて、
「夏の過ごし方」のポイントを整理していきます。
夏だけでなく、1年間を通してそれなりに安定して過ごせるヒントになれればと思います。
目次
心の基本作用
双極性障害などの記事で、
「メンタルは上がったら下がる」という基本原則を何度か強調していますが、これは季節などの環境因も影響を受けます。
ポイント
メンタルは上がった分、倍下がって長い
この基本作用はしっかりおさえておきたいポイントです。
そして、いつも「メンタル」から「行動」になるのではないですよね。
心と行動は相互作用しています。
なのでもちろん「行動」のよって「メンタル」は変化します。
そのため、活動的になるほど、人との接触が多くなるほど「ハイ」になりやすく、
非活動的で人と接触しないほど「ロー」になる傾向を持っています。
なので、上がり下がりがあまりなく過ごすには、
「活動量と生活リズムを一定にする」ことがポイントになります。
季節の影響
「行動」が精神作用に影響を及ぼしたり、「環境」が気持ちに影響を及ぼしたり、
人の心は常にさまざまな要因と関連しています。
環境因に分類される代表が「季節」といえるのだろうと思います。
「梅雨ストレス」もそうですし、
「冬季うつ」という季節性のうつ病は有名ですよね。
先ほどの「メンタルは上がったら下がる」という基本原則から考えてみますと、
「冬にうつ状態が重くなる場合は、夏にハイになりがちである」という可能性が考えられます。
そのため、夏に上がりすぎると冬場に向けて不安定さや落ち込み、活動量の減少などが起きてしまうかもしれません。
そうだとしたら、「夏の過ごし方」をちょっと工夫してみたら、
「冬場のうつ」が少し軽くなれるかもしれません。
個人差が大きい
この特性は、個人差が大きいので、
まず「1年間でアップダウンがあるかどうか」に気付いてみたいと思います。
また、例えば「昨日は遠出して人ともけっこう話した。疲れたから今日は1日寝てた」というような直ちに回復している場合は問題ないと思います。
「ハイが後にうつとして長引く」という場合、
例えば「夏中、運動して連日出かけてあまり寝ていなかった」というようなある程度の期間ハイであった場合、
秋口に不安定になったり冬場にうつっぽくなったりする可能性があります。
「1年ずっと元気だぜ!」という場合や、
「季節で状態はあまり変わらない」という場合には、さほど心配されなくて大丈夫かと思います。
では、メンタルの基本原則を頭に入れつつ、
夏バテを防止しながら、秋も冬も比較的安定して過ごせるように、夏の特徴を知っていきたいと思います。
夏の特性
「冬季うつ」の原因として、
まず「日照時間の減少」があげられています。次に「寒さ」が影響するといわれています。
一方、夏は日照時間が長く、暑いです。
「うつ」になる要因と反対ですので「ハイ」になりやすい季節だとされています。
気持ちもハイになり過活動になりがちな季節です。
一方、「夏バテ」と言われるように、身体的に疲れやすい季節でもあります。
まず「夏バテ」になる要因について整理していきます。
湿度のある熱気
梅雨ほどではないにしても、日本の夏は湿度が高いですよね。
「湿度が高い熱気」は、酸素が薄くなっています。
なので、カラッとした晴天のときとは違って少し体が重くなります。
そのため、疲れやすくなっています。
紫外線
紫外線は、メラニンの生成に繋がるとして有名ですよね。
なぜメラニンが生成されて肌が黒くなるかというと、
「攻撃されたから身を守らなくては!」と生体が反応するからです。
なので、紫外線は浴びるだけで非常に疲れる要因となっています。
日焼け止めを塗っていたとしても、脳は「攻撃されている!」と判断するので、臨戦態勢になります。
それが場合によっては「ハイ」のような精神状態を起こすこともあるかもしれないですね。
海や屋外プールに行くとすごく疲れるのは、「水泳」という運動要因だけでなく、
「外で真夏の紫外線を浴びた」ことによる疲労である部分が大きいといわれています。
汗をかく
夏は汗をかきますよね。
汗は体温調節にとても重要ですので、汗はかいたほうがいいです。
ただ、冬場と違って、自然に汗をかく季節ですので、
それ以上に汗をかくと汗腺が疲れてしまうと指摘されています。
例えば、ホットヨガやサウナなど、人工的に汗をかく試みは、冬場には健康にとても良いことが多いです。
けれど、夏場に、そういった場所でさらに汗をかくと、体が消耗してしまうとされています。
普段、エアコンが効いた場所にいて夏も汗をかかないという場合は良いと思いますが、そうでなければ、
夏場は自然な発汗に任せて、ホットヨガやサウナなどは少なめにした方が元気で過ごせるかもしれません。
ハイになる要因と対策
夏という気候が持つ特性は、「夏バテ」にも「ハイ(過活動)」にも双方に影響すると思います。
なので「バテているけど気持ちでやってのける」ということもけっこう多いかもしれないですよね。
「夏バテ」の要因を踏まえた上で、
「夏は楽しい!」というような「ハイ(過活動)」になる要素と対策についてまとめます。
夏が終わった後にくる反動としての疲労感や抑うつ感の防止になればという視点での対策となります。
活動量の増加
日照時間の長さや暑さに伴って、活動時間の増量や開放感などの行動に繋がります。
冬であれば夜は外に出る気がしませんが、夏場は日が沈んでも「まだまだ1日はこれから」といったように、
寝るのがもったいないと思うような気持ちになることがあるかと思います。
日中の暑い時間帯よりも、日が沈んでからのほうが外出しやすいこともありますよね。
そして、花火やお祭りなど、楽しいことが夜に開催されます。
もちろん、楽しいイベントは楽しみましょう!!
ただ、毎日のように睡眠時間を削るほど活動していると、後から反動がきてしまうことがあるかもしれません。
加えて、薄着になるために「ダイエット」をしがちで、後述する食事もそうですが、
「ダイエットのための運動」という活動量が増加することがあります。
対策
「夏がもつ特性」は「体力を消耗しやすい」ことが分かります。
なので、思っている以上に疲れていることが多いです。
なので、意識的にゆっくり過ごす時間を入れるととても良いと思います。
また、冬の活動量と比較したときに、あまりに隔たりがある場合は少し気を付けたいです。
特に、「睡眠」は健康のキーですので、日付が変わる前には就寝するなど、
睡眠リズムの大幅な変化は防ぐことができると、夏が終わった後も比較的安定し、夏バテ予防にもなるかと思います。
食事量の減少
「ハイ」になる要因として、「食欲不振」があります。
注意ポイント
ここでの「食欲不振」はあくまでも「気持ちは元気!」な場合の「食欲不振」を指しています。
「食欲不振」がどうして精神的なハイに影響するかというと、
人は食べていないと「頭が冴えている」という錯覚を起こすのです。
しかし、これは「錯覚」であって、本当に冴えているわけではありません。
ただ本人には「食べない方が気分が良い」と認知されることが多く、
過度なダイエットの入り口になってしまうことがあります。
また、夏場は「夏バテ」として「食欲がなくなる」「食べる気がしない」という状態になることがあります。
なので、どうしても食べる量が減りがちです。
夏場の「食事量の減少」は、
「夏バテ」としても「ダイエット」としても表れるので、気にしていたいところです。
けれど、活動量は上がってますから、ガソリン(食事量)に対して活動量の方が多く、
結果として「過活動(ハイ)」になるという状態になっていることがあります。
そうした「軽躁状態」の反動として、
秋から不安定になり、冬場にうつっぽくなってしまうことがあります。
対策
冬場の食事量、どんな感じでしょうか?
ちょっと振り返ってみたいと思います。
冬場の食事量に比べるとだいぶ減ることが多いようなら、
意識してちょっと増やせるといいかなと思います。
生きたいように
今回は「冬場にうつっぽくなりやすい方へ」向けて、
冬もそこまで下がらずに過ごせるために夏の過ごし方についての注意事項を整理しました。
ただ、好きなように過ごしていいともちろん思います。
大事なことは、選択できること だと思っています。
自分を知らないと、選べないので、
自分を知るために必要な知識は得られると助けになるかもしれません。
根本的にそこそこ健康であれば、夏に過活動になっても大丈夫かと思います。
この記事では触れませんでしたが、熱中症にはくれぐれもお気をつけて…。
暑くなり始めの時期はもちろんですが、
8月下旬から9月にかけては「夏の疲労」によって体が弱っていることが多く、
熱中症やご高齢になると脳梗塞などを起こしやすい時期であります。
どうか心身を大切に、それぞれの季節を楽しめたらと思っています。
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「メンタルは上がったら下がる」という基本原則については
「双極性障害Ⅰ型」の記事でも説明していますので、ご興味があればぜひ♪
今回は「季節とメンタル」をお届けしました。
最後までお読みくださってありがとうございましたm(__)m
またのお越しをお待ちしております♪