前回の記事で「幼少期の被害がもたらす影響」について書きましたが、
私自身も、被害に遭ったからこその世界観を持ち、
そのほとんどは暗く、生まれてきたこと生きることも否定するものでした。
幼少期から抱いた世界観は、その後の人生におのずと影響を及ぼし、
その世界観を強化してしまうことが多いので、そう簡単に変わることはできないものではあります。
ただ今回は、その中でも後の体験でよい方向に変わった「私の思い込み」について書きたいと思います。
子どもを見る目の変化
初めての社会人は、先輩事務さんから嫌がらせにあい、散々ではありました。
けれど、その後の人生にとって大きな学びもありました。
私は、自分の幼少期が暗くてつらかったため、
「子どもは可哀想な存在だ。言葉にできないから耐えるしかない。心の中でしんどい思いを抱えているんだ」という目で世の中の子どもを見ていました。
とんでもない先入観ですが笑、
大人になってもずっと私は「傷つけてしまったらどうしよう…」と子どもに接するのが怖かったのです。
「子どもは悩み苦しんでいるけど言葉にできない」と思っているので、気さくに明るく子どもに話しかけるなんてできませんでした。
ただ遠くから「可哀想だな…」と勝手に決めつけ、どう接していいかわからないので避けていました。
社会人経験に救われた子どもへの苦手意識
初めて派遣として働いた受付事務の仕事には、
メインではないものの、「お客様の子どもの相手をする」という仕事がサブ的にありました。
それで、今まで避けてきた子どもでしたが、仕事ですので避けられず、かなりビクビクしながらお子さんに接しました。
初めて私から話しかけたお子さんとの経験は、今でもはっきり覚えているほどです。
その子は2歳の女の子で、ご両親が打ち合わせ中に、私から話しかけ、相手をしました。
その子が、とっても素直で可愛いかったのです。
あまりに素直で明るくて快活な子だったので、私は「こういう子は将来をどんな風に描いているんだろう?」と、
まだ2歳の子に「将来、なにになりたい?」と聞いてみました。そしたら、
「将来は、パパとママと結婚して3人で暮らす」ですって!!!
なんて可愛い!!!
その子は、ご両親の打ち合わせが終わるまで何回かきて、私になついてくれました。
さきほどの夢が衝撃的だった私は、「また聞きたいな」と思って、
後日もう一度「将来はなにになりたい?」とまた聞いてみると、
「パパとママと結婚して3人で暮らしたいけど、小学生にもなりたい」
と言うのです!!
もう、なんて可愛いの!!!なれる、なれるよ、両方なれるよ!!と叫びました、私は。笑
このことで、私は、「ああ、私が思うほど、子どもみんなが苦しんでいるわけじゃないんだ」ととても安心したのです。(当たり前なんですけどね。先入観って怖い・・・)
この経験を境に、私は子どもと接することが怖くなくなりました。
そのおかげで、スクールカウンセラーなどでも後々助かりました。
大人として、もし子どもが何か困っていたら自分から声をかけることができるという風になれたことは
私にとっては救いになりました。
ただ、幼少期の経験というのは、人生観になるといっても過言ではないと思います。
もちろん、大人になるに連れていろいろ経験して変わっていけます。
でも、「親は頼りにできて家庭は安全基地だった」場合と、
「親が一番の加害者で、家庭は地獄だった」とでは、世界の見え方はまるで違って当然ですよね…。
本人の考え方がどうこうということではなく、
支援する立場の人間は、そういったことも肝に銘じていないと二次被害を起こしてしまいますね…。
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次回は、軽躁状態からの大学院受験の続きになります。
その前に、「偏見を生む心理」について解説しました。
この記事「ある性被害サバイバーの話23」の続きはこちら「ある性被害サバイバーの話24」
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