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トラウマ 性被害サバイバーの1事例

ある性被害サバイバーの話22 ~幼少期の被害がもたらす影響~

2021年4月22日

「ある性被害サバイバーの話」を最初からお読みいただくときはこちら

前回のお話はこちら

今回は、私の振り返りの続きではなく、

幼少期の被害が及ぼす影響の重大さについて取り上げたいと思います。

 

「基本的信頼感」の欠如

まだ人格ができる前に被害に遭ったり、機能不全家庭で育ったりすると、

本人は「この世は安全ではない危険な場所だ」という世界観を持ちます。これは非常に深刻な事態です。

「基本的信頼感」の欠如した状態になります。

「基本的信頼感」とは、他人への信頼などの表層の信頼に留まらず、

「突然天井は落ちてこない」とか「道を歩いているときに道路は陥没しない」といった

通常は意識されない世界観も含まれます。

 

私たちは日々生活する中で、安全かどうかを意識せずに生活できるから健康でいられるという面があります。

ところが、例えば「天井が落ちてくるかもしれない」「道路が突然陥没するかもしれない」という不安感恐怖感を抱きながら生きているとしたら、

どんなに苦しいか、想像を絶しますよね。

そして、この「基本的信頼感」は通常は意識されない深い世界観ですので、

本人も「空から隕石が降ってくるかもしれないから怖い」といったようには意識されていないことが多いです。

本人も「よくわからないけど、とにかく不安。怖い」といったような感覚です。

「よくわからないけど不安。怖い」という漠然とした不安感はすごくツライ状態です。

さらにいえば、幼少期からですから、その不穏な心中が「当たり前」のことであると思っていることがほとんどです。

 

犯罪の被害に遭うということは、この「基本的信頼感」を失わせるのだということを、世の中の人に知ってほしいと思っています。

虐待も当然ながら最も悪質な犯罪です。

「基本的信頼感」に関するツイートです。

 

孤独になる

小さい頃はわからなくても、だんだん大人になるに連れて、周りとの差に気づきますよね。

そうすると、同級生が当たり前のように将来の展望を語っている姿をみて、

自分は将来を想像できないことを変に思う(PTSDの『未来の短縮化』(詳しくはこちらの記事)ことや、

周囲に馴染めないことが多かったり(「基本的信頼感」の欠如から警戒心が強いことが多い)、

結婚や家庭生活に夢をもてないなど、どうしても孤独になりがちであると思います。

 

男性嫌悪、人間不信

性被害に遭われた場合、加害者個人にとどまらず、男性全般に対する恐怖心や不信感、嫌悪感を持つケースがほとんどです。

実際に会話など接しなければいけないときに限らず、

街で加害者と似たような男性を見ただけで動悸が止まらなくなったり、

電車やバスなどで男性にそばに来られただけで恐怖でどうしようもなくなってしまうことがあります。

 

また、男性に限らず、対人関係において全般的に不安感や不信感を抱えていることが多いです。

さきほどの「基本的信頼感」の欠如を考えると、これも当然のことではありますよね。

 

おかしなことではない

ただ、このような、一見すると「普通ではない」反応は、

当然の反応であるから、心理学的にも名前がついて概念化されています。

 

自分がおかしいわけではない。

 

おかしいどころか、そういった反応のほとんどは、必死で自分を守ろうとしている証です。

ただ、苦しみは多いですし、確かに、被害に遭っていない人や機能的な家庭で育った人とは、世界観は異なるかもしれない。

そのことによる寂しさや孤独感、自己否定感を抱えていたらちゃんと癒したいと思っています。

でも、おかしいことでは決してないし、

世界観はこれから自分で作り直していけることでもあります。

 

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今後も「怒りと復讐心」についてや「男性嫌悪」などの被害者の方が抱えることが多い苦しみについて、

また整理して書いていきたいと思っています。

次回は、私のケースで、幼少期の影響で持っていた「子どもへの苦手意識」が、

社会人時代の経験によって良い方向に変化したお話しをしたいと思います。

続きはこちら

 

 

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