今回は、「ADHD」という発達障害について、
「二次障害の防止」という視点から、特徴を整理したいと思います。
発達障害の1つ、ADHDは注意欠陥多動性障害といって、
「不注意」「多動性」「衝動性」を特徴とします。
日常生活では「注意力が低い」「忘れ物が多い」「約束を守れない」「期限を守れない」「落ち着きがない」などが代表的な特徴となっています。
ポイント
不注意:忘れ物や聞き漏らし見落としが多い、注意力散漫など
多動性:落ち着きがない、じっと座っていることができないなど
衝動性:目先の興味に行動がひっぱられる、我慢ができないなど
発達障害などの病を一次障害とし、
一次障害があることで傷ついたり自信を失ってしまうなどの心の問題を生じることを二次障害といいます。
二次障害により登校拒否やうつ病になってしまうため、どう二次障害を防ぐかが重要になっています。
この記事ではADHDの主症状よりも、
知っておくと二次障害防止に繋がる特徴に絞って注目しました。
目次
ADHDの知っておきたい特徴
ADHDの中には「ADD」という「多動性はないけど不注意が多い」という気付きにくいタイプもあります。
この場合は、「忘れ物が多い」「宿題や仕事の提出期限を守れない」などが目立ちます。
見た目は多動ではないので気付きにくく、叱るばかりになってしまいがちです。
本人は、怠けでやらないのではなく「できない」ので、
怒るだけでは良い方向に進みません。
そういった意味で、ここではADHDの二次障害防止に役立つ3つに絞りました。
ポイント
1.弱点が怒られやすいことばかり
2.拘束されることが苦手
3.ADHDだからこその強み
この3点について整理していきたいと思います。
1.弱点が怒られやすいことばかり
ADHDの特徴は、「苦手なところが人に分かってしまうので怒られやすい」ということが二次障害を起こす一因です。
例えば「人見知り」という弱点は本人はすごくツライことがあると思いますが、
怒られないですし、バレにくいと言えます。
そういう意味で、ADHDの苦手な面というのは目立って他者に見えてしまう。
「忘れ物をする」「約束を破る」「じっとしていられない」など、
特に子どものころは親や学校の先生から注意されることが多くなってしまいます。
子どもの頃は特に、「自分が何が苦手か」ということにまだ気付いていなかったり、
気付いていてもそれを大人にしっかり伝えることは難しいです。
そんなときに、怒られてばかりでは、本人を追い詰めるだけになってしまいいます。
注意ポイント
「怒られてばかり」→
自信を失う。他者に敵意を抱く
できないことをただ怒られていると、
自己肯定感が低く、自己否定が強くなってしまったり、
「他者は自分を攻撃してくる存在」と反発心が強くなるなどの二次的な苦しみを生みます。
対策
まず、「弱点がバレてしまう。だから怒られやすいんだ」と周囲の人が知っているだけでも意味があると思います。
そして特にお子さんの場合は、
怒るだけじゃなく、
忘れ物などは一緒に準備してあげる、
本人が楽しそうにしていることは否定せず肯定するなど、
自信を失わないよう気をつけてあげられたら素晴らしいと思います。
2.拘束されることが苦手
ADHDの特徴を一言で現すと「我慢することの障害」と言われています。
ですから、普通の人には大してツラくないことも、
ADHDの人にとっては『ものすごくがんばって我慢している』という状態が珍しくありません。
とにかく『拘束されることが苦手』です。
これは身体的にというだけではなく精神的にも同様です。
『拘束される』ストレスフルな環境の典型は
「学校の教室での授業」ですね。
「何時まで動いちゃいけない。やることを指定される。見張られている」
地獄です!!!
これは大人の方も根本的には同じです。
ただ、大人になるとそもそも多動性がおさまっていくこと、
「50分間じっとイスに座って立ち歩いてはいけない」という環境ではなくなることや、
子どもより自分の行動に裁量権が持てるので逃げ場ができるという面はあります。
対策
大事なことは「自由時間を担保する」ことです。
「することを決められていない時間」を持つように意識することは大切なように感じています。
もし、ADHD傾向のお子様がいらっしゃる親御さんが読まれていたら、
学校から帰ってきたらぜひ褒めてあげて欲しいと思います。
1日学校に行っていただけで本当にがんばってますから!
3.ADHDだからこその強み
ADHDの人は「愛されキャラ」であることが多いように思います。
頭の回転が速く、好奇心が旺盛で物知りであることも多いので、
「話していて楽しい」と思われることが珍しくありません。
人とトラブルがあっても他者に寛容である傾向が強いと感じます。
「私は好きなことをしているだけだから」と人のせいにせず、素直に対応できることが多い。
だから「放っておけない人」といったような感じで交友関係が広く多趣味であることも少なくありません。
また、自分が志す方向(職業でも生き方でも)さえ核として持っていれば、
ADHDの気の散りやすさはむしろ強みに働くことが多いようです。
視野が広いため1つの領域にこだわらずに関心を示し、それが良いアイデアになって本業に生かすことで平均以上の成果を出すことができる。
だから、症状として言われる特徴が必ずしも悪いことばかりではないと感じています。
理解を深めることは何よりの対処法
発達障害であると、小さいころから「どうして自分だけできないんだろう…」「なんで同じ失敗をしてしまうんだろう…」
という自分を理解できない苦しみを抱えがちです。
そして「自分で自分を理解できない」ことは、他人から理解できない以上に本人を苦しめます。
なので、具体的な解決法や対処が取れなくても、
ご本人やご家族が困っていることに関して理解が深まることは何よりの対処法なのではないかと感じています。
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ADHDであると、どうしても「失敗」が目立ってしまうので、
うまくできたこと、得意なこと、がんばったことなどを強調していけたらと思います。
ASDについての記事もございます!
ご興味があればこちらもぜひ♪
ちょっと駆け足の説明でしたが、最後までお読みくださってありがとうございました!