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家族 心理雑談

【不登校】卒業式は欠席すると後悔する?!

2021年4月13日

今回は、スクールカウンセラーとして勤務していたとき、

よく教員や保護者に聞かれたこと

「不登校の子を卒業式に出席させたい」ついて、

寝子の独断と偏見を述べます笑

 

卒業式は出たほうがいい?!

不登校のまま卒業を迎えることがあります。

そのとき、本人はたいてい「卒業式は出ない」と言います。(あるいは校長室など別室で個人で授与される)

 

その際に、教員や保護者の方が

「一生に1回しかない卒業式、出ないと本人が後悔するのでは?」と心配になり、

「出ない」と意思表示している本人に何度も確認したり、

執拗に「出たほうがいい」と勧めることがたびたびあります。

 

大事にすべきは本人の意志

「欠席したら大人になってから後悔するのでは?」

これに対し、スクールカウンセラーとして寝子の返答は、

 

「後悔する可能性は極めて低い」です。

 

ホントは「後悔しません」と言い切りたいくらいです。(でもそこは人それぞれですからね…。「可能性は低い」で落ち着こうと思います。)

 

むしろ、今の本人の「出たくない」という意志を否定することの方が、よほど本人にとってはツライし、

「自分の気持ちを分かってくれていない」等と感じてしまうのではないかと思います。

 

後悔するのは自分で選べなかった欠席

「卒業式に出ないと後悔する可能性が高い」ケースというのは、

「自分に選択権がなく欠席した場合」だと思います。

例えば、不慮の事故に遭ったとか、身内の不幸が式の直前に起きて出席できなかった、とか。

ただ、この場合は、「卒業式に出たかった」と思えるくらいには学校生活が楽しかったのだということですから、

それだけで充分なのではないかと思うところもあります。

 

つまり、「卒業式に出ないと後悔するのでは?」と考えている教員や保護者の方は、

きっと、その教員や保護者の方ご本人の学生生活が、それなりに楽しかったのではないかと思います。

 

でも、今、学校に行けていない子どもは、

楽しくなんてなかったから不登校にならざるを得なかったのだと思います。

そこを、忘れないで欲しいのです。

そして、「出席するか欠席するか」を自分なりに考えて出した結論であれば、本人は自分なりに納得できているのではないかと思います。

 

教員の価値観

教員の方で、「最後の授業、卒業式はクラス全員揃って卒業するんだ!」

みたいなことを目標に掲げている人がたまにいらっしゃいます。

 

ぜひ、取り下げていただきたい。

 

教員の先生は、「学校行事は絶対的な欠かせない素晴らしいものだ」という価値観をお持ちであると感じます。

それは素晴らしいことです。

でも、生徒や保護者もみんなが同じ価値観ではないのです。

そこをどうか忘れず、妄信的にならないで欲しい。

 

保護者の人で、あまりに学校側から言われると、「そうなのかな…」と揺れてしまうかもしれませんが、

学校現場がそういう価値観を持っているだけです。

 

卒業式なんて大した行事ではありません。

 

将来後悔するほどのイベントではありません。

本人が「出ない」と言っているなら、その気持ちのほうがはるかに大切です。

 

イベントはイベントに過ぎない

今回は「不登校」と限定いたしましたが、不登校に限らず、

「修学旅行」「成人式」「結婚式」など、大きなイベント事には、

なぜか「参加しないと将来後悔するかな?参加したほうがいいかな」という妙な圧がありますよね。

 

でも、参加してもしなくても人生は滅多に変わりません笑

 

参加しないとわからないので、「参加したら素晴らしい経験ができたのかな」と想像してしまいますが、

イベントはしょせんイベント。それだけ。出なくても人生に影響なし。

 

だから、無理しなくていいと思います。

 

もちろん、出られそうなら出てみたら「イベントに参加した経験」を得られて良いと思います。

ただ、なんらかの事情を抱えて「出たくない」と思うなら、それでなんの問題もないと応援しています。

ただ周りの「出ないと後悔するよ圧」によって変にコンプレックスに思ってしまうことがあるので、

そんな必要ないよ、というエールでした。

 

保護者の気持ち

不登校について考えるとき、私はある1人の保護者の方の訴えを忘れられません。

小学校と中学校の9年間不登校であると、

「学校関係者と接するたびに、“すみません”と謝り続けているんです。もう謝りたくないんです涙」と。

このような気持ちを抱えていると、どれほどの人が分かっているでしょうか。

私は、お聞きするまで「すみません」と言わなきゃいけない状況とそのツラさを想像できていませんでした。

学校側は、年度が変わったりすると違うアプローチをご家庭にすることがあります。

それはもちろん良いと思います。ただ、長期に渡るケースの場合、

ご家庭にはご家庭なりのやり方を見出して、進んでいらっしゃることがあります。

外から見て「学校に行っていない」だけで、何も進んでいないわけではない。

なんというか、そういうデリケートなところを、土足で踏み荒らすようなことは、

支援する立場としては本当に控えないといけないと思っています。

今回の「卒業式の欠席」についても、本人とご家庭が出した結論に対し、

悩まれてもいないのに執拗にアプローチするのは止めた方がいいと、

生意気ながら思っています。

 

えっと、「ある性被害サバイバーの話」をお読みいただいている方はご存知かと思いますが、

個人的怨念で(笑)、教員および学校に対する内容にトゲがあったかもしれません。お見苦しいところを…笑。

 

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ということで、今日は「イベント事は出ても出なくてもどっちでも大差なくね?」でした~。

 

次回は「ある性被害サバイバーの話」の続きです♪

こちら↓

「ある性被害サバイバーの話⑳」

 

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