こんにちは~。
今日は、「寝子が神経生物学的パーツアプローチにものすごく感動した」というだけの内容です^_^;
「この有り余る熱気を書かずにはいられない!」というだけなので、
それでも読むよ~と思ってくださる奇特な方はお付き合いをよろしくお願いいたします(*^_^*)
先日アップした「トラウマと解離」の記事の「神経生物学的パーツアプローチ」はとても新しい療法です。
日本ではまだトレーニングできる機関が見当たらないし、和訳されている本もわずか1.2冊です。
でも、私はこの観点に出会い、これまでにない衝撃を受けました。
「神経生物学的パーツアプローチ」の画期的な視点
いままで、数多くの心理療法、概念に触れてきて、そのほとんど全てに感銘を受けたし、意義があると思いました。
けれど、このパーツアプローチはそれらの感動をはるかに超えるものでした。
1人のトラウマ体験者として、というよりは、心理士として心の底が震えるほどの有用さを感じました。
境界性パーソナリティ障害への新たな視点(画期的その1)
まず、このパーツアプローチは、境界性パーソナリティ障害を見事に説明し切っているし、
かつ、有効な介入の仕方を明示しています。
医療領域で心理士をやっていると、境界性パーソナリティ障害の方々に出会い、
そしてうまくいかなかったという経験をすることは珍しくなく、私もその1人です。
複雑性PTSDが広まり、境界性パーソナリティ障害(BPD)の症状は複雑性PTSDの一部だと考えられるようになっています。
なので、10年後には「境界性パーソナリティ」という診断名がなくなるのではないかと私個人は考えています。
けれど、今はありますし、複雑性PTSDだとしても、境界性パーソナリティ障害の症状が強いケースだったとき、対応は難しくなるのが現実です。
今までのBPDにおいては、精神分析的解釈がなされることが一般的でした。
激しい行動化や「理想化やこきおろし」といった両極端に揺れる対人関係に対し、
「転移」や「抵抗」として解釈し、
「本題に向き合うことを避けているための行動化」と捉えます。
そして、「枠組みを壊すことで本題を避け続ける」ために、
治療者は「枠組み」を絶対に守ることを基本とします。
「枠組みを守る」とは、「予約外では対応しない」「予約外の電話などは対応しない」「キャンセル料は取る」などです。
説明が大雑把ですが、「まずは枠組みを守る」それを徹底することで、クライアントは本題に向き合うようになれる、というものです。
…でもこれ、治療者側が「分かった気」になれるだけなんですよね…。
そんな中、BPD向けの療法は発展し、メンタライゼーションや弁証法的行動療法が生み出されました。
正直なところ、私はメンタライゼーションや弁証法的行動療法をしっかりと学んではいません。
「しっかりとは学んでないよ」という無礼を承知の上で、単なる感想を言うと、「あまり惹かれなかった」です。
けれど、弁証法的行動療法は、開発者がBPDだったということで、
文献を読むとものすごい情熱が伝わってきて良い意味で圧倒された記憶があります。
かつて、統合失調症が偏見にさらされ、まるでその患者さんがおかしいかのように扱われた時代がありました。
BPDはそこまでではありませんが、それでも、支援者側も本人も抱えづらい症状であると感じます。
そのため、複雑性PTSDの登場で、BPDがトラウマ症状であると認知され始めたことは素晴らしい発展だと思います。
その上で、
神経生物学的パーツアプローチ!!!!
過去を語る必要はない(画期的その2)
神経生物学的パーツアプローチの最も画期的な点は
「過去を話すことに意味はない」
とし、従来の心理療法の「過去を物語る」ことを真っ向から否定している点です。
その根拠は「トラウマは言葉で言い表せない体験であるはず」なので、
昔に戻って言葉にしてもトラウマ反応が活性化されて悪化するだけだと主張します。
さらに「過去の体験の感情を今感じる必要などない」と続けています。
これは、従来の心理療法を根っこから覆すものです。
ただ、パーツセラピーの開発者は、他の心理療法を落としたいからこのような主張をしているわけではもちろんありません。
この主張には
「既に苦しんでいるクライエントが、再び苦しまなければいけないような療法は理不尽だ」
という開発者のものすごい愛情と優しさから出ているものです。
私などと開発者の先生と比べることなどおこがましいことは百も承知ですが、
「再び苦しい思いをしなければ治らない療法は理不尽」「もっと優しいやり方はないのか」という思いは、
私自身、臨床を重ねれば重ねるほどに強く感じるようになっていたことでした。
「過去を語る」という有用性
ただ、ここで、パーツセラピーは否定しているものの、
「過去を語る」ことが治療効果を持つこともしっかりお伝えしたいところです。
生育歴を丁寧に振り返ることはもちろん、PE(持続型エクスポージャー)などの有用性はエビデンスでしっかりと示されています。
私の臨床経験でも、「過去を語る」ことをベースにした療法で、多くの人が回復しています。
一方で、それができない人たちもいるということ、
そして、できたとしてもかなりの苦痛を伴うケースが少なくないという現実があります。
特にPEは、できるクライエントさんがかなり限られます。
最初から「PE」を標榜している相談室であれば、それを求めた人が来るので、違った印象を受けるかもしれませんが、
私の勤務先である街のクリニックというあらゆる人が受診する機関で見る限り、本当に、適応は限定的です。
それどころか、生育歴の振り返りでさえ、できないことも珍しくありません。
大事なことは、「それができなくてもいい」と心理士が他の選択肢を提示できることです。
クライエントさんの中には、しっかり話してくれているのでできそうかと思いきや
「嫌な思いをしないと治らない」と思っていて、無理に過去を話されていることが少なくありません。
それが有効に働けばまだマシですが、それがトラウマ症状の活性化になってしまっていたり、
そこまでいかずとも単に「嫌なことを思い出しただけ」となっていては、話させる意味がありません。
まして、過去の体験を話せないことを「向き合っていない」などという結論にはすべきではありません。
「それに気が進まないのであればその感覚を尊重しましょう。他のやり方がいくらでもありますよ」
そう保証したい。。
私は、これまでの臨床経験で「過去と向き合うこと=話すこと」という従来の傾向に疑問を感じ始めていました。
一方で、最近はSE(ソマティックエクスペリエンス)など、身体感覚を重視する療法が盛んになっています。
同様に、マインドフルネスも以前からブームですよね。
ただ、これらも、「身体感覚」に抵抗を示すクライエントさんは多く、
マインドフルネスもピンとこないというケースは多いのです…
(私のやり方が未熟だということはむろんですが汗)
そんな中での
神経生物学的パーツアプローチ!!!!
カウンセリングというのは、心理士とクライエントさんの相互交流なので、
心理士側が、使用する療法や概念をどのくらい信じているか熱意があるかが影響すると思っています。
だから、さほど良いと思っていないものを“なんとなく”使用しても、
“なんとなく”な結果しか得られないものです。
…やっぱり私は認知行動療法を好きになれない…(突然w
空前のCBTブームで、今後もCBTが心理療法の場をほぼ独占していくのではないかと思います。
本当に有効だと思います。
でも、私はどうしても人の「認知」「行動」を修正するという古典的なCBTの考え方が根本的に良いとは思えない…。
そんな中での
神経生物学的パーツアプローチ(3回目w
溢れ出る感動の嵐!!!
神経生物学的パーツアプローチは、解離に限らずトラウマに限らず、
あらゆる人の悩みに有効であると私は感じています。
ただ、これを多くの支援者が使用できるようにマニュアル化するのは非常に難しいだろうなと感じますし、
臨床で使用することも簡単ではないと思います。
でもケースごとにオリジナルであるからこそ、有用なのだと思います。
私はこれを極めたい!!!!!
本当は、今回のブログは神経生物学的パーツアプローチの事例として、
私を例にしたものをアップする予定でした。
でも、その前に溢れ出る感動を書かずにはいられなかったw
また別の記事で、パーツアプローチにご興味をもった方の助けになるように、私の例をアップしたいと思っています!
↓「もうその熱意は分かったよ…」という呆れ顔の人も一押しを!!
↑「過去を語る」ことも本当に有効です!!
その人それぞれに合った方法を提案していきたいです。
本当に、ただの寝子の感動にお付き合いくださってありがとうございましたm(__)m
これに懲りず、また覗きにきてくださると嬉しいです♪
またのお越しをお待ちしております
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