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性被害サバイバーの1事例 発達障害

【発達障害と生育環境】後編 ~父のASD特性~

2021年6月28日

 

発達障害と生育環境【前編】で、父の生育歴を書きました。

今回は、父のASDの特性についてまとめたいと思います。

 

ASDとは

ASDについては、「自閉スペクトラム症候群」の記事で大まかに説明しています。

ご興味がある方はぜひこちらの記事をお読みいだだければと思います。

 

ASDの主特徴は大別すると以下の5つです。

ポイント

・想像力の問題

・感覚過敏

・こだわり

・臨機応変な対応が苦手

・忘れることができない

 

私のASDの記事は、「忘れることができない」という特徴を強調して取り上げています。

 

ASDの特徴は、

「スペクトラム(連続体)」が示しているようにあくまでも「程度問題」です。

質的にはほとんどの人が持っています。

なので、ASDと診断されている人の中でも差がありますし、

診断されていなくても、例えばASDの特徴の1つが顕著であるといったようなことがあります。

 

父の場合

父の特徴について詳述していきたいと思います。

先ほど述べたように、ASDの方であっても程度の差があります。

「想像力の問題」の程度は少ないけれど、「感覚過敏」は重い、などありますので、

父のケースはあくまでも一事例ではありますが、ASDの特徴をよく現していますので、ご参考になれば。

 

想像力の問題

よく「空気が読めない発言をする」といいますが、父もその傾向がありました。

偶然会った同僚と奥様に対して「お前の奥さん愛想ねぇな」と言ってしまったり…。

 

「空気が読めない発言」というのは、「ウソがつけない」ということでもあります。

父は、「おれはウソが嫌いだ」といつも主張していました。

でもそれは「嫌い」なのではなく、「ウソをつけない」という能力的な問題を「嫌いだから」という理由付けでカモフラージュしていたのだと思っています。

 

また、「人の気持ちを汲み取れない」というところでは、

父は「ギャンブル依存」だったと書いていますが、そのため、家計は父が握っていました。

母は結婚当初は働いておらず、父から生活費をもらっていました。

 

そういうとき、母に

「1円単位」で渡していたそうです。

 

母は「実家に行く交通費も1円単位でぴったり渡された。私だって実家にお土産の1つも買って行きたかったのに…」と何度も聞かされました。

 

父は、ギャンブル好きということもあって、お金に執着心が強かったことも影響していたと思います。

 

ただ、それだけではなく、「お金をください」と言う立場の人の気持ちや、

1円の余裕もないという人の気持ちを想像できなかったという特性が原因となっていたと思います。

 

他にも、母がガンになって、具合が悪いのに、病院の後に父が母に「今日はマックを食べると決めていたんだ!」と母の希望を聞かず、

母にとっては食べる気がしないマクドナルドになったりとか。。

 

こう書くと些細なことのようですが、それらが積み重なっていくと、

母や兄は「父はなんて冷たい人なのだろう」と怒りや恨み、傷つきを募らせていきました。

 

「人の気持ちを想像できない」ことは、どうしても「自分の気持ちを優先しがち」になってしまうことがあります。

本人に悪気はないと思うのですが、本人がわかることが「自分の気持ち」だから。父はこのタイプだった。

しかも前回触れたように、父がわかる「自分の気持ち」は、あくまでも瞬間的なものです。

「~が食べたい」「~したい」「嫌だ」という。

そのため、ちゃんと話し合ったり、深い気持ちの交流はできず、いつも父を中心に家庭が回っていました。

 

参考

ASDの「想像力の問題」のために、父とは正反対に「過度に他人の気持ちを考える」ケースもあります。

察することができないので、すごく張り詰めて「失礼なことをしないようにしないと」と

自分の振る舞いをチェックし続けるようになってしまうこともあります。

これは女性に多いです。

それは、世の中が求める「性役割」の影響を受けていると思います。

 

性役割

「性役割」とは、いわゆる「女の子なんだから」「男の子なんだから」と言われる「社会がその性別に求める役割」です。

現代は、昔よりもだいぶ緩和されたように報道などされていますが、でもまだまだ性差別はありますよね。

また、やはりどうしても「同性同士の社会」が学校などで生まれます。

女子であると「どうでもいい会話をいかにできるか」が人間関係に必要になります。

なので、ASD傾向をもつ女子は、男子よりも幼少期から自分の苦手な面に直面しやすく、

結果として、「厳しく自分の行いをチェックする」という風になりがちなのかもしれないなと考えています。

 

いずれにしても、対人関係での行き違いやストレスは大きくなりがちであると思います。

 

生育歴の影響 

ASDは「想像力の問題」として対人関係の課題がよく取り上げられます。

ただ、前回の記事のように、との心の交流が幼少期になかったとしたら、発達しなくても無理もないのかもしれません。

 

私は「人の心は耕されて細分化される」と何度かツイートしています。

人の心は、いきなり明確になるわけではありません。

「すごく嬉しい~ちょっと嬉しい」というようなグラデーションも最初から持っているわけではありません。

 

最初は「快か不快か」「泣くか怒るか」というような大雑把なものから始まり、

だんだん複雑に細かくなっていくものだと考えています。

そのためには、養育者との安全な交流が不可欠です。

 

父は、先ほど述べたように、「自分の気持ち」といっても

「これが食べたい」「この番組を見るんだ」「これは嫌だ」等のとても原始的なレベルの欲求の表明ばかりで、

それが通らないとものすごく不機嫌になり、無視や罵倒などを何日も続けるため、家族全員が父の要望に従っていました。

当時、「父は一家の主なのだから当然」だと思っていました。

しかし、内容はまさに「子どもの要求」ですよね。

 

「これが食べたい」「これは嫌だ」と強く主張し、

通らなければダダをこね、泣き叫んで親に当たる、幼稚園児そのものだとも捉えることができます。

 

これは、ASDの特徴というよりも、子ども時代を持てなかった生育歴ゆえのことだったのかもしれません。

 

臨機応変な対応ができない

「臨機応変な対応ができない」「急な予定の変更に対応できない」というのはASDの代表的な特徴の1つです。

知的障害を伴うケースでは、急に予定が変更になるとパニックになってしまいます。

 

父も同じで、「ある性被害サバイバーの話35」の「会社が火事になったのにそのまま定時に帰宅した」というのは、

この特徴のためだと考えています。

 

父は、この特徴が特に顕著でした。

 

毎日アラームでもセットしているのかというくらい、決まった時間に起き(実際は目覚まし時計はかけていなかった)、

平日は1830きっかりに帰宅していました。

 

そして、休日に予定があると、何があってもそれを優先しようとしました

 

母がガンになり、急に入院する必要が出たときがありました。

そのときも、「オレは約束があるから」と、友人との遊びの約束に行こうとしたのです。

母と兄は怒りマックスになり、母は悲しくもあったでしょう。「自分よりも遊びを優先するのか」と。

 

そう思うのは当然だと思います。

しかし、ASDで、「急な予定の変更が苦手」であることが強かったら、父の行動は理解できなくはないのです。

 

ポイント

ASDであると「見通しを持つ」ことが情緒の安定に重要になります。

できる範囲で、変更後の見通しを持てると少しは違うかなと思います。

仕事においても「とりあえずやっておいて」というような、曖昧で、作業の意味やその後の動きがわからない指示は、ASDの人にとってとても苦痛になります。

できるだけ具体的かつ理由も説明してあげると、きちんと理解して取り組める上に、その後も継続して正確に実施できると思います。

 

こだわり

父のこだわりは「偏食」「衣類」が顕著でした。

父は自分でも「食い意地がはってるから」と認めるほど、食にこだわりが強かったです。

食べ物の好き嫌いもものすごかったです。

「砂糖」と「醤油」が大好きで、「ソース」や「味噌」などを嫌いました。

調味料からダメですので、食卓はいつも「甘いしょうゆ味」ばかりでした。

また、決して惣菜や弁当を買おうとしませんでした。

母が作った物しか食べませんでした。母が具合が悪くてもどんなときでも作らねばならず、それに対して感謝もなかったです。

 

注意ポイント

「感謝が無い」のはASDに関係なく、モラハラ気質がある人は、

「パートナーの手作りにこだわるのに、作ってもらうことに感謝をしない」傾向が共通して認められることが多いです。

逆に、「作らなくてもいいよ」と、買ってきたり自分で作ったりできる人は、感謝もしっかりできることが多いと思います。

 

また、「衣類」のこだわりが強かったです。

特に下着は、全て白。まったく同じ形で同じ色のもので統一していました。

そしてタオル類も「薄さ」にこだわり、雑巾のようにボロボロになっても使い続けていました。

 

他にも一度言いだしたら絶対にゆずらないなど、非常に意固地でした。そのため、特に母は苦労していたようです。

 

感覚過敏

ASDの場合、その人それぞれの「過敏性」があり、

その程度が重いと、生活がかなりしんどくなったり制限されたりします。

父は、この特徴はあまり見受けられなかったように思います。

それでも、先ほどの下着やタオルは一種の「感覚過敏」とも捉えることができるでしょう。

 

また、「ある性被害サバイバーの話35」で触れたように、

「手をつなぐ」などの「スキンシップ」に極度の不快感を示す人でした。

なので、私が小さい頃、父に近寄った記憶はありません。

 

これはASDとしての特性と捉えていいかと思います。

ただ同時に「にわとりと卵」みたいに、

もし父自身が乳幼児から幼少期までに親から自然なスキンシップがあったとしたら違っていたかもしれませんよね。

 

そういう意味でも、発達障害の特性と生育歴は関わりあうのだと思います。

 

片づけができない

父は、本当に「どうしたらそんなに散らかせるのか」というくらい、片づけができない人でした。

「片づけができない」という特性については、ASDでもADHDでも取り上げられるかと思います。

ASDの原因としては、「空間認知能力の問題」「見通しのなさ」などが推測できます。

 

忘れることができない

父は嫌な事を執念深く、いつまでも根に持っていました。

それはあくまで「父側の解釈」なので、母はかなりストレスになり苦労したようです。

 

ただ、「ASD~前編~」の記事で取り上げたように、

ASDの人の「忘れることの障害」というのは本人にとってすごくツライ特性だと思います。

「忘れられる」ことは、人が生きていく上で必要な能力だと思います。

 

父は、歪んだ甘え方を母にしていました。

母が父にした些細な嫌な事を、いつまでも父は覚えていて持ち出しました。

けれどそれは母だからできたことで、父は本当は他にも忘れられない嫌な事を抱えていて、

でもそれはその本人に向けられないから、母に八つ当たりしていたのかもしれません。

 

父の他の特性

ASDで知的に高いと、一般的に言語能力が高く、口が達者であることが多いです。

しかし、父は、知的に高かったのに言葉が出てこない人でした。

「何か言おうとしている」とこちらが察知して、しばらく待たないと父は話すことができなかった。

だからきっと、余計にストレスを内面に抱えやすかったように思います。

それは、てんかんという持病があったからなのか、その薬の副作用なのか、ASDとは違う父が持つ性質だったのか、わかりません。

 

「人とコミュニケーションを取る」というスキルにあらゆる面で恵まれなかった人だなと思います。

 

ASDは人の気持ちがわからないわけではない

ASDは「人の気持ちがわからない」といわれることがありますが、

父に限らず、ASDの患者さんたちを見てきて、そんなことは本当にありません。

人の気持ちがわからない人たちは、ASDではない人たちに多く見受けられます。

 

ただ、ASDだと「想像力の問題」によって「言われたことをそのまま受け取る」という傾向があることと、

「コミュニケーションに感情的な要素をあまり持ち込めない」ということがあると思います。

 

また、比較的、頭が常にいっぱいな傾向があるかなと思います。

ADHDの方の「気が散って頭の中が多動」とはまた違って、

「今日はこれとあれをするんだ」みたいなことでASDであると埋まっていて、それ以外の情報が入りにくいというか、

どうしても自分のことだけでいっぱいになってしまう面があるように思います。

しかし、「自分のこと」と言っても決して楽しい内容ではなく、

仕事のことであったり「やらなきゃいけないこと」を考えているというイメージです。

このことも日々の生活や対人関係に影響してるかなと思います。

 

不器用さがありますが、誠実で真面目で、信頼できる人が多いです。父も、いい加減な人ではなかったです。

ASDだと、疲れやすくもあるので、自分のペースをある程度は維持できる環境を持つことは健康でいるために大事になってくると思います。

 

 

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ここ1週間ひどい腰痛に悩んでましてツライです泣

病院に行ったのですが、今日の仕事後また違う病院に行く予定です。

お父ちゃんの話どころではなくなってしまったぜ!

 

 

今回は父のケースをもとに、生育歴と発達障害について検討してみました。

 

腰の痛みで朦朧としながら強引にまとめたので、読みずらくてごめんなさい…。

後で書き直したりしていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

次回の「ある性被害サバイバーの話36」は私のエピソードの続きになります。

 

今日も最後までお読みくださって本当にありがとうございました!

 

 

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