ネットやテレビなどで「臨床心理士」はけっこう見聞きしたことがある人が多いと思います。
そして「公認心理師」という名称も最近は聞くことが増えたかもしれません。
先日、北川景子さん主演の『ファースト・ラヴ』という映画が発表されましたが、
北川景子さんの役柄が「公認心理師」でした。
ちなみに、『逃げるが恥だが役に立つ』主演の新垣結衣さんの役柄が
「臨床心理士の大学院を出たけれど、就職先がなかった」という設定です。
なので、ここで2つの資格を整理したいと思います!
2つとも心理の専門資格
「2つとも心理の専門家」と思っていただいて良いと思います。
他に「○○カウンセラー」「△△心理療法士」などいろいろな資格や名称がありますが、
それらの専門性は不確実ですので、カウンセリングを受けようと思った際にはお気をつけくださいね。
臨床心理士と公認心理師という資格は、2つとも専門性に一定の信頼性があります。
それはどちらも、大学および大学院でしっかりと心理学の研究や臨床について学んだ上で、受験できる資格であるからです。
では、なにが違うのでしょう。
民間資格と国家資格の違い
結論から言えば、
臨床心理士は民間認定資格、公認心理師は国家資格であるという違いです。
職務内容に今のところ大きな違いはありません。
じゃあなぜ2つあるのか?
国家資格である公認心理師の方がハイレベルなのかなと思いますが、
そうではなく、これは心理職を国家資格化するために長い年月をかけた戦いの結果なのです。
日本は外国に比べて、まだまだ心療内科やカウンセリングの認知度が低いといわれていますが、
それでも昔に比べればだいぶ市民権を得たと実感しています。
でも今から50年前なんてそれこそほとんど普及していなかったですよね。
そんな中、偉大な心理の先生方が「なんとかカウンセリングを日本に広めたい」「そのためにきちんとした資格を作りたい」
「最終的には国家資格にしたい」という目標をもって歩んできたのです。
そこでまず「臨床心理士」という民間認定資格をつくり(1988年ごろ発足)、
きちんとした養成システムを作り、臨床心理士を世に送り出し、
その実績をひっさげて「国家資格にしてください!!」と、国や医師会などに何十年にも渡って長い間働きかけ続けた結果、
「公認心理師」という心理カウンセラーの国家資格が2015年に公布、2017年に施行されたました。
第一回目の資格試験が2018年に実施され、2019年に初めて公認心理師が誕生しました(最近!!)。
つまり、公認心理師は、それまでの臨床心理士の実績によって生み出されたのです。
臨床心理士は、非常勤勤務の掛け持ち(要するにアルバイト)勤務が多いため
所得が低く、いつクビになるかもわからない不安定な雇用形態である人が多いです。
にも関わらず、臨床心理士資格は更新制なので一定期間に所定の研修を受けないと資格失効になってしまします。
もちろん更新に必要な研究費用は自己負担です。
でも、そのような厳しい環境だからこそ専門性を担保でき、
世の中の人たちに認めてもらえたからこそ国家資格になれたのでしょうね。
・・・振り返っていたら、
「ということは臨床心理士は心理職を国家資格化する通過点ということか?」
と改めて実感し、
「今後、臨床心理士資格はどうなっていくのかという心理士業界内の揺れ」
に対する理解が個人的に深まりました。
臨床心理士資格が維持されるのかは今後の歴史が決める!
今後の臨床心理士資格のゆくえがどうあれ、
公認心理師という国家資格ができたことで、
心理職の雇用の不安定さとかも
少しずつ改善されていくといいなぁと思っています。
そして何より、
さらにさらに多くの人に役立てる職業になっていきたいですね。
まとめると、
「臨床心理士でも公認心理師でもどっちでもちゃんとした資格だよ!」
(2つとも持ってる心理士の方が今は多い)ということです。
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こういった「心理業界の話」も、たまに記事にしたいと思っています。
最後までお読みくださってありがとうございました!